研究課題/領域番号 |
22K16805
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
松下 良介 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (80735366)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 膀胱癌 / RAS阻害剤 / 薬剤耐性 / RAS |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、薬剤感受性並びに耐性膀胱癌における新規RAS阻害剤によるRASを標的とした治療の可能性の探索と、それらに関わる癌シグナル経路を解明し、新たな治療戦略の基礎データを収集することが目的である。研究は、以下のステップで行う予定である。 ① 薬剤感受性癌並びに耐性細胞を用いた新規RAS阻害剤の機能解析 ② CRISPR ライブラリーを用いた新規RAS阻害剤耐性に関わる遺伝子群の同定 ③ 新規RAS阻害剤耐性関連シグナルの解明と既存薬による阻害効果の確認
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研究成果の概要 |
本研究の成果として、以前、我々の教室では2種類の膀胱癌細胞株(BOYとT24)を用いて、ゲムシタビン耐性あるいはシスプラチン耐性細胞を用いてゲムシタビン、シスプラチンに対するIC50の測定やRNAseq解析を行ったが、ゲムシタビンおよびシスプラチン耐性膀胱癌において、交差耐性は見られなかった。そこで、新規RAS阻害剤を用いて機能解析を行ったが、これらの耐性細胞株に対して抗腫瘍効果を示した。更にpan-RAS阻害剤を投与した細胞を用いてRNAseq解析を行い、多くの遺伝子が劇的に抑制され、特に細胞周期や細胞分裂に関与するパスウェイが阻害剤により制御されることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
進行性膀胱癌の予後は不良であるが、その理由としてファーストラインとして使用されている抗癌剤治療であるGC療法(Gemcitabine + Cisplatin)の効果が限定的であることが、挙げられる。そして、膀胱癌は他の泌尿器癌(前立腺癌や腎癌)に比べて明らかに治療手段が少なく、治療耐性獲得機序の解明や新規治療戦略の開拓が極めて重要と考えられる。本研究で我々は、薬剤感受性並びに耐性膀胱癌における新規RAS阻害剤によるRASを標的とした治療の可能性の探索と、それらに関わる癌シグナル経路を提示した。その為、新たな治療戦略の基礎データを提示することができたと考える。
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