研究課題/領域番号 |
22K16825
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
五十嵐 太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (70724730)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 前立腺炎 / 非細菌性前立腺炎 / 慢性前立腺炎 / 膀胱刺激症状 / 排尿筋過活動 / 骨盤内クロストーク / TrkA / NGF / ラット / TrKA / 選択的TrkA阻害薬 / 骨盤痛症候群 / 神経成長因子(NGF) / Trk受容体(TrkA) / 非細菌性前立腺炎モデルラット |
研究開始時の研究の概要 |
慢性前立腺炎・骨盤痛症候群では過活動膀胱症状のみならず下腹部から会陰までの広範囲な領域における痛みや不快感などQOL低下に直結した様々な症状を起こしうるが、発症機序が明確ではなく有効な治療法が確立されていない。近年、神経成長因子(nerve growth factor:NGF)の前立腺や膀胱などの局所での過剰発現が症状を引き起こす一つの因子と考えられている。 本研究では、非細菌性前立腺炎モデルラットを用いて、NGFとその高親和性受容体であるTropomyosin receptor kinase A (TrkA)との結合を阻害することによる過活動膀胱症状や痛みに対する治療効果を明らかにする。
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研究成果の概要 |
[研究成果] 本研究では、非細菌性前立腺炎モデルラットを用いて、NGFとTrkAの結合を阻害した際の治療効果を検討した。その結果、治療群では無排尿性膀胱収縮(NVC)および膀胱と前立腺におけるNGFのmRNA発現量が対照群に比べて有意に低下し、Sham群と同程度まで改善した。また、対照群で増加していたL6-S1 DRGにおけるTrkAのmRNA発現量は、治療群では正常化した。これにより、TrkAの結合が非細菌性前立腺炎の膀胱刺激症状の治療標的となり得ることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は、非細菌性前立腺炎の発症メカニズムにおけるNGFとTrkAの結合の重要性を明らかにし、その阻害が症状軽減に有効であることを示した。これにより、TrkA阻害薬が新たな治療法として有望であることが確認された。学術的意義として、前立腺炎の治療標的としてNGF-TrkA経路の具体的なメカニズムが解明された。社会的意義として、効果的な治療法が確立されれば、前立腺炎患者の生活の質向上に寄与する可能性がある。研究成果は、新しい治療法の開発に向けた基盤を提供し、医療現場での応用が期待される。本研究は、前立腺炎の治療法を革新し、患者の症状を効果的に緩和する可能性を示唆している。
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