研究課題/領域番号 |
22K16845
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
永昜 洋子 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (80843408)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 緊急帝王切開 / 人工知能 / 説明可能AI / 胎児心拍数陣痛図 / 胎児超音波 / 胎児機能不全 / 機械学習 / ホワイトボックス化 / 経腟分娩 / ディープラーニング |
研究開始時の研究の概要 |
近年、妊娠年齢の高齢化とともに本邦の帝王切開率は上昇傾向にあり、それに伴い緊急帝王切開率も上昇傾向にある。しかし、診療所での分娩が約半数である本邦においては、マンパワーや施設の規模により、緊急帝王切開が迅速に施行される施設は少数である。課題として緊急帝王切開が迅速に施行されない場合における、周産期転帰の悪化を防ぐことが挙げられる。 本研究では、この喫緊の課題を解決するために人工知能の先端技術であるルール抽出技術を導入し、緊急帝王切開の予測を新しい視点から探求する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、人工知能が一般的に「ブラックボックス」として知られている問題を解決し、緊急帝王切開(CS)の原因を特定する説明可能AIを用いたルール抽出システムを構築することである。当大学の分娩記録から、妊娠36週以降の経腟分娩および予定帝王切開、緊急帝王切開に分類し、52のリスクファクターを抽出した。1,513件の単胎分娩データを用い、15のルールを抽出し、平均81.90%の精度、AUC 71.46%を達成した。このシステムは緊急帝王切開の要因を特定するのに有用であると考えられた。現在、本研究の前向き試験を行うとともにロバスト性を得るため外部データ検証中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、緊急帝王切開の予測に関する新たな知見を提供し、既存の産科医療の質を向上させる可能性がある。また、医療従事者はより正確なリスク評価を行うことが可能となり、より安全な分娩を実現する一助となる。社会的意義は、この予測モデルを導入することでリスク管理の強化が期待される。具体的には、緊急帝王切開の必要性を早期に察知することができ、母子の安全を確保するための迅速な対応が可能となり得る。また、医療リソースの効率的な活用にも寄与し、不要な帝王切開を減少させることで、医療費の削減や病院の業務負荷の軽減にも繋がる。このように、周産期医療の向上と医療システムの効率化に貢献することが期待される。
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