研究課題/領域番号 |
22K16865
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
林 優 東海大学, 医学部, 助教 (80631837)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 卵巣癌 / 子宮内膜症 / エクソソーム / 糖蛋白 / 糖ペプチド / 深層学習 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、CSGSA解析により得られる、再現性のある1例毎約2000のピークに画像化・深層学習を応用して良性婦人科腫瘍と卵巣癌を選別するアルゴリズムを報告した。本研究ではCSGSAをエクソソーム中の糖蛋白に応用し、より感度特異度の高い卵巣癌早期診断法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
我々の所属する研究室では、個々の患者からのCSGSA*ピークデータを2次元バーコード化し、さらに既存の卵巣癌関連血清糖蛋白データで色付けするカラー2次元バーコードを作成し、非癌例と初期卵巣癌患者群のカラー2次元バーコードを深層学習させることで卵巣癌の罹患の有無を判別する方法を考案した(Cancers (Basel). 2020 Aug 21;12(9):2374. PMID: 32825730. CSGSA(AI)) (特許出願番号2019-108992)。*CSGSAとは、血液より糖蛋白を抽出、糖ペプチドとしてLC/MS(液体クロマトグラフィー/質量分析)に投入し、そこより得た2次元データから再現性のある一人当たり約2000ピークを抽出し、そのすべてを用いて病態の判別を行う診断システムの構築を目指すものである。 本研究では、CSGSA(AI)の特異度・感度を挙げるために、エクソソーム中の糖蛋白を用いて測定可能な量の糖ペプチドを得ることが出来るかどうかを確認した上で、エクソソーム中の糖蛋白を分解して得られた糖ペプチドを用いてより優れた診断システムを開発することが目的である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
卵巣癌患者血清から、以下の手順でエクソソームを精製し、糖蛋白を抽出し、糖ペプチドに分解、エンリッチして質量分析器で糖ペプチドの測定を行った。 (方法)・エクソソーム精製:マグネットビーズに抗エクソソーム表面抗体添付、抗体添付マグネットビーズを患者血清に投入(エクソソームの吸着)、非吸着物の洗浄、エクソソームのビーズからの分離、エクソソーム単離精製。・糖ペプチド単離:エクソソームからタンパク抽出、糖ペプチドへ分解、糖ペプチドエンリッチ精製。・質量分析:精製糖ペプチドを用いて測定。 (結果)質量分析の結果、エクソソームから得られた糖蛋白から糖ペプチドピークデータを得ることは困難であった。血清20μLから得られる推定糖蛋白質量は約1000μgであることから、エクソソーム中の糖蛋白質量は血清に対し、仮に100%回収されたとしても0.34%程度であることがわかった。よって、血清1000μLからの精製では検出が困難であることがわかった。 (結論)血清1000μLから精製したエクソソーム中の糖蛋白からの糖ペプチドは質量分析器では解析が困難であることが判明した。血清量を増やすことは現実的でないことから、糖ペプチドでなくエクソソームに含まれる糖蛋白自身の検討を行うべきであると結論された。
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今後の研究の推進方策 |
エクソソーム中の糖蛋白から得られた糖ペプチドの解析は量的な問題から困難であることから、糖ペプチドでなくエクソソーム中の糖蛋白自体をターゲットとすることにして測定・解析を行う。エクソソーム含有糖蛋白に対してプロテオミクス解析を行い、解析データからカラー2次元バーコードを作成し、癌例と非癌例からのカラー2次元バーコードを深層学習されることで卵巣癌検知AIの作成を目指す。既存報告(Extracellular Vesicle and Particle Biomarkers Define Multiple Human Cancers PMID: 32795414)もあり、方法論の検討もすでに行っている。
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