研究課題/領域番号 |
22K16901
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
角木 拓也 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70706548)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 内耳有毛細胞 / 平面内細胞極性 / タイト結合 / 三細胞間タイト結合 / HDAC inhibitor / 繊毛形成 / Foxo3 / 薬剤性難聴 |
研究開始時の研究の概要 |
内耳有毛細胞は自己再生能がなく、その障害は不可逆的であるが、聴力障害は生活において大きくQOLを低下させるため、内耳性難聴における再生医療が待ち望まれている。以前に我々は不死化内耳有毛前駆細胞を用いて、内耳性難聴への関与が示唆されているフォークヘッド型転写因子のFoxo3が細胞極性、繊毛形成に影響を与える結果を得た。今回我々はFoxo3の下流因子の解析を行うことで難聴の新規病態メカニズムを解明し、さらに薬剤性難聴モデルとして本細胞を用い、難聴の新規治療法開発への基礎研究を行う。
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研究成果の概要 |
TGF-βR、EGFR阻害剤処置で認めた繊毛形成の亢進はアミカシン処置により抑制された。また、アミカシン処置で誘導されたアポトーシスがデキサメタゾン処置により抑制され、Caspase3の発現抑制を認めた。 各種増殖因子、シグナル伝達阻害剤による変化の検討ではTGF-β、EGFR、JNK、PYK2、PKCa 阻害剤処置により細胞遊走能の明らかな抑制がみられ、3細胞間タイト結合蛋白であるトリセルリンの明らかな膜への発現誘導がみられた。HDAC阻害剤処置により明らかなアポトーシスの誘導がみられ、一方で、mTOR阻害剤のラパマイシン前処置によるHDAC阻害剤のアポトーシス誘導の阻害が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本細胞を用いた研究結果として、薬剤性難聴を引き起こすとされるアミカシンの処置により繊毛形成が抑制され、デキサメタゾン処置によりアミカシン処置により誘導されたアポトーシスが抑制されることが確認され、薬剤性難聴を含む内耳性難聴における内耳有毛細胞の繊毛形成、tight junction蛋白の変化、アポトーシスの変化を解析可能である本培養細胞はそのメカニズムの解明、治療法の開発のための in vitro モデルとして有用であると考えられた。また、mTOR阻害剤であり、Autophagy阻害剤でもあるラパマイシンはアポトーシスの抑制が観察され、新規治療薬としての可能性が示唆された。
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