研究課題/領域番号 |
22K17004
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山口 優 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (50823308)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | Rab44 / Rab GTPase / 破骨細胞 / Rab44ノックアウトマウス / 骨粗鬆症 / Coronin1C / 骨組織・骨代謝解析 / Coro1c |
研究開始時の研究の概要 |
近年申請者らの研究で、破骨細胞に発現する新規遺伝子であるRab44を同定した。Rab44は典型的な低分子量Rabタンパク質と異なり、複数のドメイン構造を持つ高分子量Rabタンパク質である。本研究ではin vitroでの結合分子との相互作用解析を行う。同時にRab44ノックアウトマウスを用いて、骨粗鬆症モデルマウスを作製し、その病態を解析する。本研究により膜輸送系を主軸とする骨粗鬆症の分子メカニズムの解明と、予防・診断・治療への応用が期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、Rab44の膜輸送を主軸とした機能を解明することである。Rab44がアクチン結合タンパク質Coronin1CとRab44野生型とGDP型でのみ相互作用することが判明した。GTP型は破骨細胞の分化を抑制し、GDP型は分化を促進することも示された。in vitroでCoronin1Cによる破骨細胞形成制御作用、マクロファージ様細胞の運動能と遊走能制御機能を確認した。in vivoでも、Coronin1Cが破骨細胞形成に影響を及ぼすことが示された。以上より、Coronin1CはGDP型Rab44と結合し、マクロファージの細胞運動を調節することで破骨細胞形成を制御することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、Rab44の膜輸送に関する新しい機能を解明し、特に破骨細胞の形成における役割を明らかにした。Rab44とアクチン結合タンパク質Coronin1Cとの相互作用による破骨細胞形成の新しい調節機構が見出された。さらに、Coronin1Cがマクロファージの運動能と遊走能を調節し、破骨細胞形成に影響を及ぼすことが明らかになった。この知見は、骨粗鬆症などの骨疾患の治療戦略に新しいターゲットを提供する可能性がある。特に、Rab44とCoronin1Cの相互作用を制御することで、破骨細胞の過剰な活性化を抑制し、骨密度の維持や骨量減少の予防に寄与する治療法の開発が期待される。
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