研究課題/領域番号 |
22K17006
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
中富 千尋 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (80878273)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 食品テクスチャー / 触圧覚 / 粘性テクスチャー認知 / 食感認知 / 嫌悪学習試験 / 嗜好学習試験 / 粘性嫌悪条件付け試験 / 増粘剤 / 口腔生理学 / 口腔内触圧覚認知 / 口腔内体性感覚 / 食感 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔内の感覚には、味覚と体性感覚がある。これらのうち、体性感覚である触圧覚の研究は遅れており、粘膜への機械刺激がどの受容器を介して受容され、認知されるかという神経生理機構は明らかにされていない。本研究は、ラットにおける機械受容器と機械受容チャネルの局在を明らかにし、三叉神経節へのshRNA導入により機械受容器発現を抑制したラットでの物性認知行動への影響を、粘性嫌悪条件付け試験により解析する。これにより、機械受容チャネルにおける食品物性(テクスチャー)の受容メカニズムおよびテクスチャー認知の神経機構を生体で明らかにすることができる。
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研究成果の概要 |
本研究の目的はラットを用いたテクスチャー認知解析を行うことであり、まず粘性嫌悪条件付け試験を用いてラットの粘性認知を明らかにした。テクスチャー受容機構を明らかにするためには粘性だけではなく他のテクスチャー感覚評価およびそれらの相互作用を明らかにする必要があると考えられた。そこでさらに、ラットでの粒子性認知評価法を確立したのちに、粘性付与による粒子性認知の変化を解析したところ、粘性存在下では、粒子性認知が抑制されることが明らかになった。本研究で用いたラットテクスチャー認知評価法を利用することにより、テクスチャー認知メカニズム解明が可能となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔内の触圧感覚によって食品テクスチャーを正確に知覚することは、食品に応じて咀嚼力を調節したり、安全に嚥下できるタイミングを判断するために重要な感覚である。食品テクスチャー感覚に関与する受容器や神経回路を明らかにするためには、動物実験系での解析が必須である。本研究で粘性や粒子性感覚を評価できる実験系を確立したこと、またその相互作用があることを動物実験系で明らかにしたことで、今後より詳細な解析を行うことが可能になった。今後本研究を発展させテクスチャー認知メカニズムの詳細を明らかにすることで、摂食嚥下機能改善に有用な知見を提供できる。
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