研究課題/領域番号 |
22K17037
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
吉田 和真 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (60846856)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 歯髄幹細胞 / 歯髄 / 再生 |
研究開始時の研究の概要 |
Vital pulp therapyは,歯髄組織を除去することなく保存することを目的とした治療である。近年,VPTの成功率の上昇が報告されており,成功の要因の一つとして Ricucci らは, mineral trioxide aggregate (MTA) の使用を挙げている (Ricucci, et al. 2019.) 。1997 年に MTA が開発されて以降,これまでに多数の無機質酸化物のセメントが開発され,臨床に応用されている。しかし,生体内に存在する因子を用いて歯髄を温存するような治療法は存在しない。申請者の研究目的は,生体内に存在する因子を使用した歯髄組織恒常性維持機構に基づく VPT の開発である。
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研究実績の概要 |
歯髄間葉系幹細胞 (dental pulp stem cells: DPSC) はその高い増殖能や易回収性により、有用な幹細胞ソースとして様々な組織再生への応用が期待されている。さらに、DPSC は骨髄由来間葉系幹細胞(BMMSC: bone marrow stem cells) と比べて細胞増殖能が高いとの報告もある。しかしながら、DPSC が高い増殖能を維持する機構については十分に明らかとなっていない。そこで本研究では、NCBI の The gene ontology database and informatics resource (GO analysis)から DPSC と MSC の遺伝子発現を whole genomic と比較した研究を抽出し、DPSC が高い細胞増殖能を持つ遺伝子発現基盤を明らかにするために、歯髄組織に高発現する細胞外基質コード遺伝子 MXRA5の発現パターンと MXRA5 が DPSC の増殖に与える影響を調べた。GO analysis のバイオインフォマティクス解析結果のうち、GSE123973 と GSE113297 では、Retinoblastoma 関連分子や Cell cycle、DNA replication の遺伝子発現が BMMSC と比較して DPSC で上昇していることが明らかとなった。さらに、MXRA5 はGSE123973、GSE105145、GSE113297 において、それぞれ全遺伝子中3、341、39番目に DPSC高発現遺伝子であることを見出した。また,既知の full length のMXRA5ではなく,DPSC に特有の歯髄型アイソフォームのクローニングを行い,歯髄組織に重要な細胞外マトリクスであることが判明した。
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