研究課題/領域番号 |
22K17104
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大川 博子 東北大学, 歯学研究科, 助教 (00781296)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 時計遺伝子 / iPS細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
広範囲の顎骨欠損を生じた症例において,補綴装置を支える骨組織を再生する技術の開発が重要な課題となる。iPS細胞から骨オルガノイド(骨組織)を作製し再生治療に用いる技術の確立が期待されているが、オルガノイド作製過程でiPS細胞に与える機械的刺激などの培養条件をさらに検討し、生体に近いオルガノイドを作製する必要がある。 本研究では、オルガノイド形成において機械的刺激が時計遺伝子の発現に及ぼす影響を明らかにすることを目的に研究を進める。
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研究実績の概要 |
iPS細胞は、歯槽骨の再生医療に用いる理想的な幹細胞源として期待が寄せられている。また、iPS細胞は、試験管内で三次元組織構造体(オルガノイド)へ分化させることができるため、再生医療だけではなく、器官形成や組織形成のモデルとして有用であることから、病態解明や新薬評価ツールとしても注目されている。iPS細胞のオルガノイド形成能は、小分子化合物や成長因子の他に、機械的刺激などの外的環境因子やバイオマテリアルによって影響を受けることが知られている。本研究では、機械的刺激によって骨芽細胞分化誘導過程のiPS細胞内の時計遺伝子発現リズムが調整され、骨オルガノイド形成に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 初年度は、接着培養での骨芽細胞分化誘導下におけるiPS細胞の時計遺伝子発現パターンの特徴を解明した。骨芽細胞誘導過程のiPS細胞が、時計遺伝子の発現パターンを獲得していく特徴を捉えために、マウスiPS細胞から胚様体作製後、プラスチック培養プレート上に播種し、骨芽細胞分化誘導培地中にて接着培養を行った。分化誘導後に、EBの時計遺伝子の発現をシンクロナイズしてから、6時間おきに48時間RNAを回収した。回収したRNAからcDNAを作製し、real time RT-PCRにて時計遺伝子ならびに骨芽細胞関連遺伝子の発現リズムと細胞の石灰化を解析した。 その結果、分化誘導後のiPS細胞では、分化誘導の日数によって、18から24時間周期の時計遺伝子の発現リズムが生じることが明らかになった。また、iPS細胞が骨芽細胞分化誘導によって20日以降に石灰化したことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の研究計画であった骨芽細胞誘導過程のiPS細胞が、時計遺伝子の発現パターンを獲得していく特徴を捉えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、チタン表面からの機械的刺激が骨芽細胞分化誘導過程でiPS細胞の時計遺伝子発現パターンに及ぼすと、影響振盪培養による機械的刺激がiPS細胞由来骨オルガノイド形成過程で時計遺伝子発現パターンに及ぼす影響を解析していく予定である。 胚様体作製後に、チタンディスク上に播種し、骨芽細胞分化誘導培地中にて接着培養を行う。培養10日目に、細胞生存能力を確認する。次に、培養30日目までにシンクロナイズ後、6時間おきにRNAを回収する。回収したRNAからcDNAを作製し、real time RT-PCRにて時計遺伝子ならびに骨芽細胞関連遺伝子の発現リズムを解析する。石灰化の評価には、アリザリンレッド染色を用いる。 また、胚様体作製後に、フラスコ内で骨芽細胞分化誘導培地中にて浮遊・振盪培養を行う。培養30日目までにシンクロナイズ後、6時間おきに48時間RNAを回収する。回収したRNAからcDNAを作製し、real time RT-PCRにて時計遺伝子ならびに骨芽細胞関連遺伝子の発現リズムを解析する。石灰化の評価には、アリザリンレッド染色を用いる。初年度で解析した接着培養下での時計遺伝子発現パターンとも比較する。
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