研究課題/領域番号 |
22K17139
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
納所 秋二 岡山大学, 大学病院, 医員 (40884797)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 骨髄老化 / CAR細胞 / 血管基底膜 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,加齢による骨髄の造血機能の低下の原因として,骨髄中の血管基底膜の老化がCAR細胞と呼ばれる間葉系幹細胞を中心とした骨髄ニッチに支障をきたすためではないか,という仮説に基づいて行う.実際には,①1細胞解析と基底膜分子に対する免疫組織化学染色を用いて,加齢に伴い発現の変化が生じる基底膜分子を網羅的に抽出し,②CAR細胞の性質維持に必須な基底膜分子を,培養皿に基底膜分子をコーティングしたスクリーニング系を用いた同定により,老化・基底膜・CAR細胞・造血機能の関連性に基づき,血管基底膜ーCAR細胞老化という観点から骨髄老化メカニズムの解明を図る.
|
研究成果の概要 |
8週齢,および80週齢以上の野生型マウスの骨髄細胞に対する,single cell RNA-sequencing,遺伝子発現変動解析により,類洞基底膜周囲に局在するAdiponectin (ADIPOQ)陽性CAR細胞が老化により変化していた.これらCAR細胞の発現変動遺伝子に基底膜関連のものを多く認めたが,各群の基底膜に対する免疫組織学染色において顕著な差は認めなかった. また,ラミニン111,221,332,411,511,コントロール(PBSのみ)でコーティングした培養皿にて,cxcl12-GFPマウスよりGFPを指標に単離したCAR細胞を培養した結果,GFP陽性の細胞を確認できなかった.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨髄の血管基底膜がCAR細胞の機能維持において重要な役割を果たしていることはすでに明らかとなっているが,骨髄の血管に特異的に発現する基底膜分子や,それら基底膜分子が老化に伴いどのように変化するのか,という点については不明であった. 本研究では,老化により類洞基底膜周囲に局在するAdiponectin (ADIPOQ)陽性CAR細胞が変化し,これらのCAR細胞の発現変動遺伝子に基底膜関連のものが多く含まれることが明らかとなった.これらの発見は,加齢による免疫機能低下のメカニズムを解明し,骨髄老化の関与が報告されている歯周病やインプラント周囲炎に対する予防及び治療法の開発へ繋がるものと考えられる.
|