研究課題/領域番号 |
22K17795
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
吉永 和明 福島大学, 食農学類, 准教授 (40724802)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | エポキシ脂肪酸 / 安定同位体 / 体内動態 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、不飽和脂肪酸の二重結合がエポキシ化された、エポキシ脂肪酸が食品の加工工程で生成されることが報告されている。エポキシ脂肪酸はヒトへの有害性が懸念されているが、食事から摂取したエポキシ脂肪酸がどのように体内に吸収され、代謝されていくのかは明らかになっていない。そこで本研究では、安定同位体ラベル化エポキシ脂肪酸を動物に投与し、各種質量分析計で測定することで、①エポキシ脂肪酸の各種臓器・組織への分布、②エポキシ脂肪酸の体内代謝を明らかにし、エポキシ脂肪酸のヒトへの有害性を解明する一助とする。
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研究実績の概要 |
エポキシ脂肪酸は、不飽和脂肪酸の二重結合がエポキシ化された酸化生成物であり、植物油や油脂調理食品など様々な食品に含まれる。一般に、エポキシ構造を持つ化合物は、DNAやタンパク質などの生体分子との反応性が高いことから、エポキシ脂肪酸が生体に及ぼす影響(遺伝毒性や細胞障害など)が懸念されている。しかしながら、食事から摂取されたエポキシ脂肪酸が、どのように各種臓器・組織へ移行し、代謝されていくのかというエポキシ脂肪酸の体内動態に関する基礎的な知見は存在しない。さらに、エポキシ脂肪酸には構造の異なる様々な異性体が存在する。例えば、食品中の主要なエポキシ脂肪酸は、モノエポキシステアリン酸(MESA)であり、これらの構造体は、cis型とtrans型の2種の異性体(cis-MESA、trans-MESA)から構成される。しかし、これらエポキシ脂肪酸異性体の体内動態を精査した研究は存在せず、どのエポキシ脂肪酸異性体が生体に悪影響を及ぼすのかについては不明である。そこで本研究では、食品に含まれる主要なエポキシ脂肪酸異性体の体内動態を解明するため、安定定同位体ラベル化エポキシ脂肪酸(cis-MESA、trans-MESA)を合成し、マウスへ投与する。その後、各臓器・組織中のエポキシ脂肪酸異性体を各種質量分析計(GC-MS/MS、MALDI-MSイメージング)で測定することで、エポキシ脂肪酸異性体の体内動態を明らかにする。 2022年度は、安定同位体ラベル化エポキシ脂肪酸異性体の有機合成を行った。その結果、食品中に含まれる主要なエポキシ脂肪酸異性体であるcis-MESA、trans-MESAの安定同位体ラベル化物と、コントロールとしてオレイン酸(cis-9-18:1)の安定同位体ラベル化物を得た。合成した安定同位体ラベル化脂肪酸は、GC-MSを用いて分析し、95%以上の化学純度であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に安定同位体ラベル化脂肪酸の合成が完了し、動物試験の準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、安定同位体ラベル化物の合成が完了した。2023年度は、合成した試料を用いて、動物試験を実施する。その後、ガスクロマトグラフィー質量分析計、イメージング質量分析計にて、エポキシ脂肪酸の体内動態を調べる予定である。
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