研究課題/領域番号 |
22K17817
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
伊美 友紀子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (60823979)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 白色脂肪組織 / 肥満 / エネルギー代謝 / ニコチンアミドモノヌクレオチド / 脂肪細胞 / ミトコンドリア |
研究開始時の研究の概要 |
ミトコンドリアはエネルギー産生に重要な細胞内小器官であり、加齢や糖尿病、肥満など種々の要因でその機能が低下する。鉄とポルフィリンの錯体であるヘムはミトコンドリア機能に必須の因子であり、加齢等による前駆体ALAやヘム合成能の低下は、ミトコンドリア機能の低下や鉄蓄積を引き起こす。脂肪細胞への鉄添加によるインスリン抵抗性や、ALA添加によるミトコンドリア機能の活性化に関する報告はあるが、ポルフィリン生合成能と脂肪細胞の機能に関する報告はない。本研究では、脂肪細胞のALA代謝の生理学的意義を解明し、栄養学的観点からミトコンドリア機能障害の理解及び予防改善のための栄養状態の基盤確立を目指す。
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研究成果の概要 |
ミトコンドリアはエネルギー産生に重要な細胞内小器官であるが、加齢や糖尿病、肥満など種々の要因によりその機能は低下する。白色脂肪組織はエネルギーの貯蔵・分配やアディポカインの分泌を介して全身のエネルギー代謝を調節する内分泌器官であり、その機能の維持は代謝性疾患発症予防に重要である。本研究ではミトコンドリア機能およびミトコンドリア機能に必須のヘムの合成と、白色脂肪組織の機能の関連について評価したところ、ミトコンドリア機能の活性化により白色脂肪組織の脂肪分解が亢進することを明らかにし、白色脂肪組織のミトコンドリア機能は肥満に対する予防改善の標的となる可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミトコンドリアの機能は肥満や加齢により低下することが知られており、これはインスリン抵抗性や炎症などを誘発し、全身の代謝異常と関連すると考えられている。白色脂肪細胞はその大部分が脂肪であり、ミトコンドリア機能が細胞の機能に及ぼす影響について多くは研究されていなかった。現在我が国では超高齢社会となっているほか、生活習慣の変化に伴い肥満者数も増加している。本研究により、ミトコンドリア機能の亢進による抗肥満作用を確認できたことは、肥満や代謝性疾患の予防改善法開発に資する可能性が考えられる。
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