研究課題
挑戦的研究(開拓)
生体磁気記録は超伝導量子干渉素子(SQUID)を用いてきた。SQUIDを用いた脳磁図はミリ秒単位の時間解像度を持つ優れた機能検査法であり空間解像度も高い。しかし、この機能はセンサを頭皮に接近させないと発揮できない。磁界強度が距離の二乗で減弱するためである。更にSQUIDは-269℃で稼動するが熱伝導を防ぐために真空層が必要である。加えてヘルメット型の形状も固定でありセンサは頭皮から25mm以上も離れる。今回、室温稼動の磁気センサであるトンネル磁気抵抗(TMR)素子を開発し、頭皮接触での脳磁図計測を世界で初めて成功した。TMR素子を集積化し、まったく新しい頭皮接触型多チャンネル脳磁計を開発する。