研究課題/領域番号 |
22K18700
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分14:プラズマ学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 剛仁 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (70452472)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | プラズマプロセス / 金属有機構造体 / プラズマ |
研究開始時の研究の概要 |
プラズマ反応場には、多彩な活性種が存在している。多彩な活性種の存在は、プラズマ特有の反応に寄与し利点となる一方、場合によっては反応制御を困難にする要因ともなっている。そこで本研究では、細孔サイズを多彩かつ高精度に制御可能な金属有機構造体(MOF)を用いた、新たなプラズマ生成活性種の選択的活用方法を目指す。プラズマとMOFを相互作用させ、(a)篩としてのMOFによるプラズマ生成活性種の選択的取り出しや、(b)特定活性種のMOF内での利用・反応、(c) MOF内吸着による特定活性種の保存・輸送、への可能性を検証し、「MOFを用いたプラズマ生成活性種の新たな選択的活用手法」の創出を導く。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、細孔サイズを多彩かつ高精度に制御可能な金属有機構造体(MOF)を用いたプラズマ生成活性種の新たな選択的活用手法を創出することである。より具体的には、3つの観点、(a)篩としての特定活性種の取り出し、(b)特定活性種のMOF内での利用・反応、(c) 吸着による特定活性種の保存・輸送、への可能性を検証し、「MOFを用いたプラズマ生成活性種の新たな選択的活用手法」を創出することを目的としている。 該当期間においては、プラズマ雰囲気での篩としての評価と、相互作用の基礎となる実験装置の準備、更には、分子動力学法による現象の理解に取り組んだ。様々なMOFを用いた研究を展開する計画であるが、安定度の高いZeolitic imidazolate framework (ZIF-8)を用いた実験から着手した。 低圧グロー放電を用いたこともあるが、プラズマ中でZIF-8に明瞭な損傷は見られないことを、X線回折法(XRD)や、フーリエ変換赤外分光法、走査型電子顕微鏡などで確認をした。あわせて、プロパンなどの炭化水素分子から生成される水素原子/分子のその場抽出を行い、プラズマ中の特定の粒子を優先的に抽出できることを実験的に確認した。 また、分子動力学法を用いた現象の理解にも取り組み、例えば、窒素原子においては、窒素分子と比較し、粒子サイズの減少による効果よりも、反応性の寄与により、MOF内の特定の位置に停滞する傾向がみられた。これらの結果などから、反応活性種の貯蔵に対する可能性の高さを改めて実感し、その検証に向けた準備に取り組んだ。水晶振動子をもちいたMOF構造物の重量変化に関する検証を可能とする実験装置の構築を進め、検証実験が出来る状態に近づけることができた。 以上の様に、プラズマ―MOF相互作用に関する可能性を一部実証することができ、また、更なる展開に向けた十分な進展が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度においては、プラズマ生成物質を、二次反応を起こす可能性を下げる形で抽出することに成功した。反応性の高いラジカルをそのまま取り出すことの実証には至らないものの、プラズマとMOFからなる反応系の特徴の一つを示すことができている。また、重量変化に関する装置準備や、分子動力学法を用いた解析における基盤形成も順調に進めることができており、十分な成果に結びついていると感じている。以上の様に、おおむね順調に進展していると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
本研究における当初目標は、3つの観点、(a)篩としての特定活性種の取り出し、(b)特定活性種のMOF内での利用・反応、(c) 吸着による特定活性種の保存・輸送、への可能性を検証し、「MOFを用いたプラズマ生成活性種の新たな選択的活用手法」を創出することであった。その内、(a)においては一定の成果が得られており、最終年度でもある2年度目にも引き続き取り組んでいく。(c)に関しては、実験準備を進めることができているので、それを用いた実験検証に取り組む。(b)に関しては、その経過において、考察を深められる事象が得られると考えており、結果、並列して取り組んでいく。また、初年度に準備を進め、成果が得られつつある分子動力学法を用いた解析にも取り組み、現象の理解からなる更なる可能性の探求にも取り組んでいく。 以上を通じ、プラズマーMOF反応系の可能性の高さを実験・計算両面から明らかにしていくとともに、成果を世界に先駆けて配信していく計画である。
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