研究課題/領域番号 |
22K18820
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
伊藤 司 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (80431708)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
|
キーワード | 相互作用 / 多様性 / Bacillus / 持続可能性 / 微生物 / 脱色 / メタボローム / 持続可能 |
研究開始時の研究の概要 |
存在割合1%の微生物Aが存在割合99%の微生物Bの機能向上効果(速度向上、早期機能発現、持続性向上)をもたらすメカニズムを解明する。アンバランスに思える1:99の存在比におけるA・B両微生物の細胞内外代謝と相互作用に着目し、少数の微生物Aの存在により無関係にみえる大多数の微生物Bの細胞全体の代謝活性がどのように高まり、微生物Bの機能発現に繋がっているのかを機構解明する。
|
研究成果の概要 |
Enterococcus faecalis T6a1株の培養にBacillus subtilis S4ga株を1%以下(~0.01%)の存在割合で共存させることでT6a1株の活性が向上した。これには少なくとも次の3つの理由があった。1)S4ga株1%共存下では過酸化水素の分解が速くなり、過酸化水素によりT6a1株の細胞損傷が軽減されたこと。2)1%以下のS4ga株が培養液中の溶存酸素を消費し続け、T6a1株の活性維持しやすい無酸素環境を長時間にわたり作りだしたこと。3)T6a1株に「細胞分裂→自己溶解による内容物の溶出→プロテアーゼなどによる溶出物の分解および利用」のサイクルが生じたこと。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自然環境中ではほとんどの微生物は様々な微生物が共存した“微生物群集”を形成して存在している。そのため微生物群集や群集中の個々の微生物の機能を評価・制御する上で生物学的因子についての理解は重要である。しかしながら、これまでの考慮されてきた微生物の制御因子は、温度や圧力などの物理的因子とpHや酸素や基質濃度などの化学的因子であり、微生物群集としての理解や制御には繋がりにくい。本研究の成果は、ごくわずか存在割合の微生物が系全体に与えることを明らかにしたものであり、微生物の機能を評価・制御する上で考慮すべきあらたな生物学的因子になり得ると考えられた。
|