研究課題/領域番号 |
22K18833
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
久場 隆広 九州大学, 工学研究院, 教授 (60284527)
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研究分担者 |
藤林 恵 九州大学, 工学研究院, 助教 (70552397)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | セシウム / プラズマ処理 / 炭化物 / 活性炭 / 吸着 / ドライ賦活化プロセス |
研究開始時の研究の概要 |
原子力災害時に発生する汚染水を緊急に処理するために、セシウム吸着剤をストックしておくことを提案する。竹炭や活性炭といった粒状炭化物に酸性官能基を効率的に導入できるプラズマ処理装置の開発を目指す。ドライ状態で、吸着剤の性能がどの程度維持し得るのか (吸着能維持性)、また、そのバックアップ性を評価することで、再賦活化の必要性や有効性を検討する。また、平常時は、福島第一原子力発電所で日々大量に発生する廃水等の吸着処理に伴う、減量化・減溶化が不可能なゼオライトなどの放射性廃棄物が最終処分地の容量を圧迫している。炭化物は焼却することで大幅な減溶化が可能であり、本研究は、この解決にもつながる。
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研究成果の概要 |
廃水や自然環境中のセシウム(Cs)を除去する技術が必要とされている。活性炭に大気圧非平衡プラズマ処理を施すことでその表面に酸性官能基が導入される。プラズマ賦活処理を行った活性炭では未処理の活性炭に比べCs 吸着能が向上する。しかし、他の吸着材と比べるとその吸着能は劣っているため、吸着能を向上させるための新たな工夫が必要である。化学的な賦活化法ではCs吸着能は高いものの、処理に時間を要し、新たに生じる廃水の問題もある。本研究では、活性炭の材質および比表面積、粒径、さらに、プラズマ処理装置の電極間距離等の検討を行った。結論として、比表面積を除き、その他のパラメータはCs吸着能に影響を及ぼした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
当研究室では、多くの実績を有するゼオライトのCs吸着能に匹敵し得る竹炭・木炭の化学的賦活化手法を確立したことから、竹炭・木炭・活性炭といった炭化物の持つメリット、すなわち、焼却により最終処分量の大幅減容化に応用できる。一方で、化学的賦活化の欠点 (長時間・高コスト・比表面積減少、ウェットプロセスであるが故に廃水の処理費が必要) を補う新たな手法として、大気圧非平衡プラズマによる賦活化手法に着目した。これはドライプロセスであることから、緊急時のバックアップ吸着剤として長期保存が可能であること、また、再度の賦活化も容易であることが予想され、実際に、それを実験的に証明した。
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