研究課題/領域番号 |
22K18952
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
安川 智之 兵庫県立大学, 理学研究科, 教授 (40361167)
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研究分担者 |
鈴木 雅登 兵庫県立大学, 理学研究科, 准教授 (60574796)
湊元 幹太 三重大学, 工学研究科, 教授 (80362359)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 誘電泳動 / 細胞融合 / 電気パルス / ハイブリドーマ |
研究開始時の研究の概要 |
正の誘電泳動を利用してマイクロウェルアレイ内に,B細胞(直径7 μm)とミエローマ細胞(直径15 μm)を位置制御して配向した細胞ペアを作製する.ウェル内に左右非対称のパルス電場を形成し,小細胞に強電場を大細胞に弱電場を印加し,サイズの異なる細胞の融合効率を大幅に向上させる.形成したハイブリドーマから分泌される抗体をウェル底面に固定化した抗原により捕捉し,抗体産生能を有するハイブリドーマをスクリーニングする.高性能細胞を選択的な負の誘電泳動によりウェル外へと放出・回収する.回収した細胞を培養することにより,限界希釈を省略して容易で迅速にモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを取得する.
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研究成果の概要 |
本研究では,抗体産生能を有するB細胞と永久増殖能を有するミエローマ細胞のペアアレイ形成,電気パルス融合によるハイブリドーマ作製,アレイ化細胞の抗体産生能の評価および有用細胞の選択的回収の一連の技術開発を行った.ウェルアレイ型の電極デバイスによる正の誘電泳動を用いて異種細胞ペアを迅速に形成し,電場パルスにより異種細胞を融合した.アレイ化細胞から分泌された抗体を細胞表層に捕捉して評価した.高分泌細胞を負の誘電泳動を用いて選択的にウェルから放出させて回収した.これにより,融合効率の向上と限界希釈によるスクリーニングを排除したハイブリドーマ作製法の開発へと展開するための一連の技術が備わった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在,モノクローナル抗体の作出は,免疫化マウスから摘出した脾臓中のB細胞とミエローマ細胞の融合によるハイブリドーマ法に依存している.しかし,抗体産生B細胞の存在率および融合効率は極めて低く,わずかに形成された抗体産生ハイブリドーマを長期間かけてスクリーニングする必要がある.本研究では,ウェルアレイに形成した異種細胞ペアの電気パルス融合と抗体産生細胞の選択的回収を達成し,高効率融合とスクリーニング不要の可能性を示した.将来的に,高効率化は末梢血中のB細胞を対象としたハイブリドーマの作製に直結するため,ヒトへの応用展開による完全ヒト抗体の取得から分子標的治療薬(抗体医薬)開発に貢献できる.
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