研究課題/領域番号 |
22K19038
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
瀬川 泰知 分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 准教授 (60570794)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 非平面芳香族化合物 / pi-stacking / semiconductor |
研究開始時の研究の概要 |
高い電荷移動度や熱・光安定性をもつ高機能有機半導体を目指した新物質開発が現在盛んに行われている。高い電荷移動度を示す平面有機π共役分子の結晶は多く知られているが、望みの方向へ電荷輸送するための高度な配列配向制御を必要とする。したがって、「3次元電荷輸送能をもつ結晶性有機分子」を創製できれば、さまざまな用途に利用可能な有機半導体材料が実現できる。そこで本研究では、3次元電荷輸送能をもつ結晶性有機π共役化合物としてスピロ環および大きなπ平面を構成要素にもつパドル型分子の開発および有機半導体としての性質解明を行う。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、非平面π共役分子の3次元的なπ-πスタッキングによる3次元キャリア輸送材料の開発を目的として、多数のチオフェンが非平面状に縮環したπ共役化合物の合成・構造・性質解明研究を行った。非平面チオフェン環状5量体および6量体の合成に成功し、さらに8員環によってねじれを生じたチオフェン縮環化合物の系統的合成および半導体特性調査を行った。これらの研究成果は、3次元キャリア輸送材料としての将来性のある有意義なものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
チオフェンは有機電子材料の開発において重要な役割を果たしており、チオフェンの導入により魅力的な性質をもつ新たなπ共役分子の創出が期待されている。近年はひずみをもつ非平面π共役分子の合成に注目が集まっているが、非平面分子は一般的にひずみエネルギーにより不安定であり、またその合成法が限られている。本研究課題において含チオフェン非平面π共役分子の系統的合成に成功し、結晶構造解析によって3次元キャリア輸送に適した構造であることが明らかになっている。3次元キャリア輸送材料の設計指針として学術的な意義は大きく、また本研究成果をもとに新たな有機半導体材料開発が進むことは社会実装に向けた大きな一歩である。
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