研究課題/領域番号 |
22K19303
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
今井 淳太 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (80431500)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 膵β細胞 / 細胞量制御 |
研究開始時の研究の概要 |
臓器や組織の細胞は、環境や状況に応じ、最適な量に調節されている。たとえば、インス リン産生細胞である膵β細胞は、肥満や妊娠などのインスリン需要増加に対応するために 増殖し増加する。一方、需要が低下すると元の量まで減少する。しかし、これらの際に細胞量が適切な量まで増加する機序や需要が低下した際の細胞量減少の機序は不明なままである。そこで、本研究提案では、膵β細胞や肝細胞を例に、増加-減少両面から、生体内で需要に応じて組織の細胞量が調節されるメカニズムを、自律神経やそれに制御された免疫系に着目して解明する。
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研究成果の概要 |
妊娠時にはインスリン需要が増加し代償性に膵β細胞量が増加する一方で、出産後には膵β細胞量は元の量まで戻るが、その減少メカニズムは不明であった。研究代表者は妊娠・出産後の膵島にマクロファージが著明に浸潤していること、このマクロファージの浸潤を阻害すると出産後の膵β細胞量減少が抑制され元の量に戻らなくなることを見出した。さらに本課題において研究を進め、産後膵島にマクロファージが浸潤するメカニズムについて鍵となる分子をいくつか見出し、また、マクロファージが産後膵β細胞の減少に関わるメカニズムも明らかにし、論文として発表した(Developmental Cell 2023;58:1819-1829)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、体の状況に応じて膵β細胞の数が調節され、血糖値が正常に保たれる仕組みが明らかになった。一方、多くの糖尿病は膵β細胞の数が減ることによって発症することから、今回明らかになった膵β細胞を減らす仕組みが必要以上に働いてしまうと糖尿病の発症につながる可能性も考えられる。これらの関連について研究を進めることで糖尿病の予防法・治療法の開発につながることが期待される。
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