研究課題/領域番号 |
22K19314
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
富松 航佑 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (00614926)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 空間オミクス / 細胞老化 / シグナル伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
生体を構成する細胞は、細胞外環境からのシグナル伝達と、応答する遺伝子発現により状態が制御される。組織内におけるシグナルと遺伝子発現の因果関係の解析には細胞の位置情報と、シグナル伝達の活性化状態をはじめとするタンパク質情報、トランスクリプトーム情報が必要である。しかしながらこれらの同時解析は未だ報告されていない。本研究では独自の空間プロテオーム法を開発し、空間トランスクリプトーム法と組み合わせることで、単一細胞レベルでの空間マルチオミクス解析を可能にする手法を構築する。取得されるデータから、細胞の擬似時間追跡によりシグナル伝達と遺伝子発現変動の特徴的な点及び、周囲の細胞の状態を解析可能となる。
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研究成果の概要 |
本研究では細胞の活性化シグナル伝達を検出し、細胞状態の変化を擬似時間で並べてシグナル伝達の活性化度合いを計測することで細胞状態変化におけるシグナル伝達を擬似追跡する系を構築した。まず連続免疫染色法を開発し、細胞状態変化における活性化シグナル伝達を網羅的に検出する系を確立した。次にヒト細胞株のがん遺伝子誘導性細胞老化の系を用いて、状態変化した細胞に対してシグナル伝達分子を含む206種類の免疫染色を行った。染色した細胞を1細胞解像度でプロファイルし、擬似時間を構築することで細胞老化におけるシグナル伝達の活性化順序の検出を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した空間オミクス手法は、細胞状態と空間配置を精緻に捉え、擬似時間解析により特定の細胞状態の将来推定を可能にした。将来的には本技術を疾患組織の解析に応用することで、がんの悪性化や各種疾患につながる特異的な細胞環境やシグナル伝達メカニズムを解明し、新たな疾患の治療戦略確立につながることが期待される。
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