研究課題/領域番号 |
22K19413
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
進藤 英雄 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所・脂質生命科学研究部, テニュアトラック部長 (10401027)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 細胞内脂質 / 可視化 / リン脂質 / ラマン顕微鏡 / 脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、未だ技術的に難しい細胞内脂質可視化の技術開発とその応用である。近年、脂質分析技術の発展によりリン脂質研究は進展しているが、細胞内のリン脂質空間分析は未解決である。そこで細胞内リン脂質可視化の挑戦的な技術開発が必須である。本研究では、ラマン顕微鏡を用いて細胞内重水素ラベル脂質を検出する。既に脂肪滴(中性脂質)の検出に成功している(Uematsu et al. FASEB J. 2020)。保有するリン脂質生合成酵素欠損マウス群の細胞を観察し、リン脂質生体機能を併せて解析する。これまで見えなかった細胞内リン脂質挙動を明らかにするための技術開発課題である。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、未だ技術的に難しい細胞内脂質可視化の技術開発とその応用である。近年、リン脂質生合成酵素群の発見や脂質分析技術の発展により、リン脂質研究は進展しているが、細胞内のリン脂質空間分析は未解決である。脂質のラベル体はよく使われるが、ラベル分子が脂肪酸やリン脂質に近い分子量であるため、脂質そのものの物性に影響する。質量顕微鏡(イメージングMS)はノンラベルで解析できるが、解像度から細胞内観察はまだ難しい。そこで細胞内リン脂質可視化の挑戦的な技術開発が、脂質研究を細胞内に踏み込ませるために必須である。本研究では、ラマン顕微鏡を用いて細胞内重水素ラベル脂質を検出する。既に脂肪滴(中性脂質)の検出に成功している(Uematsu et al. FASEB J. 2020)。保有するリン脂質生合成酵素(リゾリン脂質アシル転移酵素、lysophospholipid acyltransferase, LPLAT)欠損マウス群の細胞を観察し、リン脂質生体機能を併せて解析する。これまで見えなかった細胞内リン脂質挙動を明らかにするための技術開発課題である。本年度は重水素ラベルオレイン酸を細胞に導入し、脂肪滴を検出した。また、市販されていない脂肪酸Xの重水素ラベル体を作成(共同研究)し、細胞内観察を行なった。シグナルが弱いため、さらに検証が必要であるが、生体に少ない脂肪酸X(機能もよくわかっていない)の情報が得られる可能性がある。他には、浮遊細胞をサイトスピンで接着させて、ラマン顕微鏡での観察も行えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
市販されていない脂肪酸の重水素ラベル体を共同研究者と合成した。その脂肪酸Xを培養細胞株の培養液に添加して、ラマン顕微鏡で観察したところ脂肪滴様の構造を検出した。通常、生体内に少ない脂肪酸Xであるため、シグナルが弱く脂肪滴であることは確認できていない。また、d17オレイン酸の細胞内への導入と脂肪滴の確認は行なっており、検出できた。また、通常接着細胞での観察を行っているが、今回、浮遊細胞である骨髄由来マクロファージ(bone marrow derived macrophage, BMMC)をサイトスピンでスライドガラスに接着させて、ラマン顕微鏡で観察した。まだ、ノンラベルであるため特定の脂肪酸の空間像は得られていないが、今後浮遊細胞でも培養液中に重水素ラベル脂肪酸を添加して、検出できる可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
市販されていない脂肪酸の重水素ラベル体を共同研究者と合成したので、可視化に利用する。その脂肪酸Xを培養細胞株の培養液に添加し、細胞内に移行した後のシグナルをラマン顕微鏡で検出する。同時に、重水素ラベルオレイン酸やパルミチン酸を用いて、違いも確認する。また、リン脂質に脂肪酸を組み込む酵素であるリゾリン脂質アシル転移酵素(lysophospholipid acyltransferase, LPLAT)の欠損マウス由来細胞を用いる。特定の脂肪酸を認識して組み込むため、その脂肪酸の重水素ラベル体を用いる。接着細胞、浮遊細胞共にラマン顕微鏡での脂質可視化を試みる。
他に、精子において脂質組成変動させるLPLAT欠損マウスも得ている。精子のラマン顕微鏡観察も行い、情報を収集する。
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