研究課題/領域番号 |
22K19618
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川端 重忠 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (50273694)
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研究分担者 |
山口 雅也 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (00714536)
住友 倫子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (50423421)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ファージ療法 / 耐性化 / 抗CRISPR分子 / 耐性化回避 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画では、新たな感染症治療薬候補としての、細菌の耐性化を回避する人工合成ファージの創出を目指す。通常バクテリオファージはヒトに感染しないため、特異性が高く薬剤耐性菌に対する新たな切り札となりうる。一方で、細菌はCRISPR-Cas機構などにより、ファージ耐性を獲得する。本研究では、ヒトの口腔や咽頭由来のレンサ球菌を宿主細菌として、日本の臨床分離株に分布するファージ配列の探索を行うとともに、細菌のファージ耐性機構を突破する能力を付与した人工合成ファージを作製して、耐性化しにくいファージ療法の探索を行う。
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研究実績の概要 |
本研究計画では、新たな感染症治療薬候補としての、細菌の耐性化を回避するファージの創出を目指した。近年、感染症の新たな治療戦略としてファージ療法が注目されている。背景には、多剤耐性菌の世界的な増加がある。ファージ療法は、細菌に感染するウイルスであるバクテリオファージの殺菌能を利用した治療法であり、ロシアなどの東欧諸国においてファージ療法は用いられてきた。また、2016年に米国にて、既存の抗菌薬で治療不可能であった超多剤耐性菌感染患者がファージ療法の実施によって完治し、大きな衝撃を与えた。 通常バクテリオファージはヒトに感染しないため、特異性が高く薬剤耐性菌に対する新たな切り札となりうる。一方で、細菌はCRISPRCas機構などにより、ファージ耐性を獲得する。本研究では、ヒトの口腔や咽頭由来のレンサ球菌を宿主細菌として、日本の臨床分離株に分布するファージ配列の探索を行った。 当教室で収集したレンサ球菌311株について、ドラフトゲノム配列の解読を行った。得られたシーケンスデータについて、fastpによるデータクリーニング、SKESAを用いたde novo assemble、Prokkaによる遺伝子のアノーテションを実施した。また、細菌種の同定はANI解析による95%以上の一致を判定基準とした。 バクテリオファージ配列ならびにゲノム配列中のプロファージ配列の解析について、ファージのアノテーションツールpharokkaを用いた解析を行った。特に溶菌酵素について着目し、1896個のendolysin遺伝子、115個のamidase遺伝子、462個のholin遺伝子を得た。これらの遺伝子について分子系統解析を行い、レンサ球菌に分布しているファージの溶菌遺伝子についての系統関係を明らかにした。
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