研究課題/領域番号 |
22K19762
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
木村 展之 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (80392330)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 老化 / バイオマーカー / 細胞外微小胞 / 高等霊長類モデル / 生体膜 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢化社会に突入した我が国ではサルコペニアに代表されるフレイルへの対策が急務となっているが、老化の進行度は個人差が大きいため、各個人の老化レベルを客観的に評価できるバイオマーカーの確立が求められている。 近年、炎症と老化との関係が大きく注目されているが、炎症は癌や感染症の他、肥満との関係も指摘されており、必ずしも純粋に老化と相関するとは言えない。 本研究はこれまで申請者が積み重ねてきた研究成果をもとに、生体膜の質的変化から各個人の老化を客観的に評価できるバイオマーカーの開発を目的としており、生体膜のオミックス解析=メンブレノミクスという新たな学術領域の開拓につながる挑戦的研究でもある
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研究成果の概要 |
本研究の成果により、カニクイザルでは老化に伴い血漿中に存在する細胞外微小胞(EV)が増加することが判明した。また、血漿由来EVのプロテオーム解析によりApolipoprotein A-I(ApoA-I)の有意な上昇が確認された。 ヒトでは血中ApoA-Iの上昇と認知機能低下との相関が指摘されていることから、ApoA-Iは脂質代謝のみならず脳老化の新たな指標となる可能性が示唆された。一方、Pregnancy zone proteinといった性腺由来蛋白質の減少が確認されたことから、血漿由来EVは老化に伴う生殖機能の新たな評価系として利用できる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果により、個体老化を簡便且つ客観的に評価できる血液由来バイオマーカーの開発が実現できる可能性が大きく高まった。また、膜の質的変化に着目したプロテオミクス解析によって加齢性変化を示す様々な膜蛋白質の同定に成功したことから、生体膜そのもののオミックス解析=メンブレノミクスという新たな生化学的解析手法の有効性が示された。さらに、本研究によって同定された血漿由来細胞外微小胞の膜蛋白質をターゲットとすることで、老化に伴う認知機能や生殖機能の低下を評価するための新たな検索性の開発も期待できる。
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