研究課題/領域番号 |
22K19823
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岸 雄介 東京大学, 定量生命科学研究所, 准教授 (00645236)
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研究分担者 |
水野 忠快 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (90736050)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | エピゲノム / ニューロン / 老化 / テンソル分解 / エピジェネティクス / 潜在変数モデル |
研究開始時の研究の概要 |
記憶の実体は人類の最大の謎の1つである。本研究では、幼少期にストレスを与えたマウスをモデルとして、ニューロンのエピジェネティクス情報を潜在変数モデルにより解析することで、個体の記憶の実体を解明することを目指す。そのため、幼少期ストレスを与えたマウスの海馬から採取したニューロン核を用いて包括的にエピジェネティクス情報を取得する。そして、それを複数の解析手法にて因子構造を推定し、幼少期ストレスの有無を最も区別できる方法論を確立することで、幼少期ストレスの記憶を読み取る。これにより、将来的にはこの方法論を用いて個体の記憶の読み取りと、その分子生物学的操作により記憶の書き換えが可能になると期待される。
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研究実績の概要 |
ニューロンの老化におけるエピゲノム変化を調べるために2ヶ月齢と2年齢以上のマウスを用意し、大脳皮質と海馬を回収した。そして、NeuN陽性のニューロン核を単離し、RNA-seq、ATAC-seqとCUT&Tagにて9種類のエピゲノム修飾を調べた。このエピゲノム情報を用いて、分担者のの水野忠快先生との共同研究によりATACとCUT&Tagの10種類の統合的解析を実施した。その結果、海馬の若齢・老齢ニューロンは遺伝子発現では区別できないが、エピゲノム情報により区別できることがわかった。 この結果は、まさに本研究が目指す多階層エピゲノム情報からニューロンや個体の状態ができるということを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
抑制性エピゲノムのテンソル分解により、ニューロンの老化を予測することができた。これはまさに本研究の目的である、多階層エピゲノム情報からニューロンや個体の状態を予測する、という解析である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本年度開発した手法を、本研究の最終目的である幼少期ストレスを与えたマウスに適用し、多階層エピゲノム情報から幼少期ストレスを予測し、その原因となりうるエピゲノム変化を捉えることを目指す。
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