研究課題/領域番号 |
22K19913
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大河内 美奈 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (70313301)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | テトラスパニン / ペプチド / CD9 / がん / がん細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞では、転移に象徴されるように細胞が高い運動性を獲得することが知られており、それらを抑える治療法の開発が課題である。本研究では、がん細胞や細胞外小胞エクソソームの細胞膜において高度に発現するテトラスパニンに着目し、これらと相互作用する制御ペプチドを開発することで、がん細胞の浸潤・転移抑制について検討する。
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研究成果の概要 |
がん細胞では、浸潤・転移に象徴されるように細胞が高い運動性を獲得することが知られており、それらを抑える治療法の開発が課題である。本研究では、テトラスパニンCD9と相互作用する制御分子EWI-2のアミノ酸配列を基にCD9結合性ペプチドを設計した。また、CD9結合性ペプチドを用いたがん細胞におけるCD9を介したTetraspanin web形成阻害、エクソソームの分泌および取込みの抑制、細胞遊走および浸潤を抑制する機能を有することが示唆された。これより、テトラスパニンCD9の機能を制御するペプチドを設計することにより、細胞運動性の制御への関与が可能であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CD9は、がんの細胞膜や細胞が分泌する細胞外小胞エクソソームにおいても高度に発現しており、細胞運動性、細胞膜の曲率制御や膜融合、エクソソームの分泌制御にも関与することが示唆されている。CD9の制御分子であるEWI-2を模倣したペプチドによる細胞機能の制御は、特定の受容体やリガンドなどをピンポイントにターゲティングする分子標的薬とは異なり、テトラスパニンを起点とする膜タンパク質の会合により形成されるシグナル伝達反応場の構築を阻害することで、複合的に細胞機能を調節することを特徴とする。これより、新たながん細胞の制御機構を示すことができ、学術的にも社会的にも意義深い成果が得られた。
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