研究課題/領域番号 |
22K19974
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 大谷大学 |
研究代表者 |
平田 公威 大谷大学, 文学部, 助教 (50962255)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ルイ・イェルムスレウ / 二十世紀後半フランス思想 / 構造言語学 / 構造主義 / 記号論 / ロラン・バルト / ジャック・デリダ / ドゥルーズ&ガタリ / 言語論 / ジル・ドゥルーズ / フェリックス・ガタリ / イェルムスレウ / 構造主義思想 / フランス現代思想 / 言語学 |
研究開始時の研究の概要 |
コペンハーゲン学派を代表する言語学者ルイ・イェルムスレウは、ソシュールを祖とする構造言語学を批判的に発展させた理論を構築しており、1960年代から1980年代にかけてのフランス思想にとって重要な参照軸となっていた。その受容には三つの傾向があり、(1)イェルムスレウを構造主義者として解釈し発展させるもの、(2)イェルムスレウを構造主義者として解釈し批判するもの、(3)イェルムスレウを非構造主義者として解釈して新たな思想的源泉とするものがある。本研究では、イェルムスレウ受容が構造主義思想以降の分水嶺であったと考え、その言語論の思想的意義の解明を通じて、20世紀後半のフランス思想を体系的に研究する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、デンマーク人言語学者ルイ・イェルムスレウの言語論に照らして、20世紀後半のフランス思想を体系的に研究することであった。本研究では最終的に、イェルムスレウ言語論の「媒入」概念を試金石にすることで、バルト、デリダ、ドゥルーズとガタリの思想的特徴が測れることを示した。媒入は、何を言語と認めるのかという、学問的な境界確定にかかわる概念であるが、この概念のうちに、伝統的な言語学的前提を認めて限界点を指摘するのか、それとも非言語学な外への開かれを認めるかが、フランス思想の分水嶺であったということを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の成果にしたがえば、20世紀後半のフランス思想は、ポスト・ソシュールの言語学の精緻な読解と、それを前提にした思想的戦略の多様性によって特徴づけることができる。それゆえ、ドゥルーズらの思想は、一概に「ポスト構造主義」として消極的な仕方で整理されるものではなく、一定の問題意識と取り組みを共有するものである。このように、本研究は、20世紀後半フランス思想における言語学の重要性を再提示し、そのもとでドゥルーズらの思想を提示しなおした点に意義がある。
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