研究課題/領域番号 |
22K20028
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
|
研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
モクタリ 明子 富山県立大学, 工学部, 講師 (90963413)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
|
キーワード | 非流暢性 / 英語学習者 / コミュニケーション / 第二言語 |
研究開始時の研究の概要 |
日本人英語学習者の英語発話には、「ええと」「なんだっけ」「ちょっと待って」のような日本語が介在したり、不自然に長いポーズが生じたりすることがある。しかし、英語らしく自然に言い淀み、次の発話に繋ぐことができたなら、言葉につまってしまった場合でも、何とかコミュニケーションが維持できるのではないだろうか。本研究では、英語らしい言い淀み方を、学習者が意図的に身につけることが可能か否か、またそれが聞き手にどのような影響を与えるかを調査する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、13名の日本人英語学習者を対象に、英語らしく言い淀む方法を指導し、それが聞き手の評価に与える影響を調査した。学習者は、5回に渡って英会話音声を録音した。研究目的は2回目の録音開始前に明かされた。2-4回目の録音にて、英語らしく言い淀む方法の指導が行われ、5回目の録音でその成果が試された。その後、4名の英語教員が、1回目と5回目の録音音声を聞き、5段階スケールで評価を行った。その結果、1回目より5回目の評価が高かった学習者には、日本語による言い淀みが大きく減少していたケースがあった。また、全ての学習者が、1回目より5回目において、英語式の言い淀み方を多く使用していたことが分かった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日常会話は、言い淀みに満ちている。母語話者でさえそうであるのだから、学習者の発話にいたっては尚更である。しかしながら、学習者が、どのように学習言語で言い淀むかを学ぶ機会は限られている。本研究は、「完璧に話す」のではなく「自然に言い淀みながら発話を維持する」という現実のコミュニケーションに即した指導を行い、その評価を示したことに学術的意義があると考える。教科書・教室の中でのことばと、現実のことばとの間には隔たりがある。本研究における単語・文法の習得とは異なる、よりコミュニカティブな視点からの指導は、学習者にとってより実践的であり、その点に社会的意義があると考える。
|