研究課題/領域番号 |
22K20056
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 清泉女子大学 |
研究代表者 |
太田 奈名子 清泉女子大学, 文学部英語英文学科, 専任講師 (30965025)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ラジオ放送 / 占領期 / メディア史 / アーカイブ / 貫戦史 / GHQ / メディア・リテラシー教育 / ラジオと文学 / ラジオ / 批判的談話研究 / 『真相箱』 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日米各々のラジオ放送に初めて取り込まれた民衆の声の解明と分析をするものである。日本の放送は、戦中の大本営発表とは相対し、占領期に入ると街の声を積極的に流しはじめたが、この変化にはいかなる歴史的意義があったのか。占領期に放送改革を主導したGHQは、巷の意見を取り上げるアメリカのラジオ番組を参考にNHKを指導したが、アメリカの放送の何が日本の放送に定着したのだろうか。「日米貫戦史」という仮説的枠組みをもとに、これらの問いを明らかにすることで、本研究は、民衆の声にしか聞くことのできない日本占領史、さらには日米放送貫戦史を描き、戦後日本の親米民主化を考える新たな視点を社会に投げかける。
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研究成果の概要 |
本研究は、日米各々のラジオ放送になぜ民衆の声が取り込まれたのか、そして、そうした声はいったい何を訴えていたのかを、日米双方におけるアーカイブでの資料(放送録音や台本)調査から明らかにするものである。日本の放送は、戦中の大本営発表とは相対し、占領期に入るとアメリカの放送に倣って「マイクの開放」を謳い、巷の声を積極的に流しはじめた。本研究により、この民主化改革は、今日の日本の放送、さらには戦後日本の親米民主化にも、その影響を与え続けている可能性があることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題により、私たちが今日触れる現代メディアも取り上げている街の声が、アメリカでは第二次世界大戦前からラジオで放送されていたこと、そして、その番組制作のあり方が終戦後占領軍により持ち込まれ、日本を民主的かつ親米にする一助を担っていたことを明らかにした。日米における「マイクの開放」の連続に注目し、大戦前後の期間を長く捉える「日米放送貫戦史」という観点にもとづき、いかなる人々の声が放送から排除され、あるいは取り入れられたのか、過去の実態を把握することで、メディアで取捨選択された声が私たちの意識にいかに影響を及ぼしてきているか、今日の問題を歴史的に、より深く考察できるという意義が認められる。
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