研究課題/領域番号 |
22K20175
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
森 良弘 同志社大学, ビジネス研究科, 教授 (00793332)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 認知バイアス / 技術経営 / 技術者 / 研究開発 / 意思決定 |
研究開始時の研究の概要 |
人間の情報収集・処理能力は有限であり完全に合理的にはなりえず、意思決定プロセスには認知バイアスが付随してしまう。これが技術開発に携わる技術者にも見られることを申請者は過去に指摘しており、本研究ではそのメカニズムをより精緻化することを目的とする。具体的には半導体周辺技術のいくつかについて業界誌記事ならびに当事者だった技術者へのインタビューを行い、認知バイアスの発現パターンや条件を考察する。本研究で得られるであろう知見は、組織における技術マネジメント手法の改善に応用することができる。
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研究成果の概要 |
本研究では技術者の意思決定における「人」の要素を認知バイアス(先入観や経験に起因した非合理的な思考の偏り)の視点から解明することを目指した。具体的には半導体プロセス技術の選択過程について技術者インタビューを行い、文献情報と組み合わせることでどのような認知バイアスが存在していたのかを調査した。その結果、Bazerman and Moore(2008)の4分類うち3分類の認知バイアスが技術判断に影響を与えることが明らかになった。このような認知バイアスは基本的に技術者個人に発現するものであるが、それに基づいた意思決定は組織の階層を上っていき組織全体の方向性を左右するリスクもあることが指摘できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで技術者は合理的に意思決定を行うと暗黙的に仮定されていることが多かったが、本研究では技術者のいわば人間らしさが技術選択の意思決定において認知バイアスという形で影響していることを示した。これらの認知バイアスは技術者以外にも広く観察されているものであった。このような知見は、技術マネジメントにおいてマネジャーが配下の技術者の意思決定の質を改善することに貢献できると考える。また個人の認知バイアスが組織の階層を上がっていくという提案モデルは、組織内のあらゆる階層のメンバーが認知バイアスの存在を前提としてその影響軽減を常に意識する必要性を新たに示したものであり、今後の更なる研究が望まれる。
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