研究課題/領域番号 |
22K20184
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 瑛 九州大学, 芸術工学研究院, 助教 (80966268)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 真正性 / ジャーナリズム / 民主主義 / 対話 / 共創 |
研究開始時の研究の概要 |
現代のメディア環境でジャーナリズムの実践を正当化している要因として、様々なメディア利用者同士の交渉を通じて形成される「本物らしさ」の感覚=「真正性」(authenticity)に着目し、真正性が共創される過程を読者・視聴者参加型のジャーナリズム実践を事例に調査する。その上で、真正性が多様で公共的な言論に資するための条件を、民主主義に関する理論的視座から検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、現代社会において、「真正性」(authenticity)がジャーナリズムを含むメディア実践全般を正当化する重要な要素の一つであることを示し、それがどのようにジャーナリズムにおける「声なき声」の活性化という規範と関連するのかを明らかにした。いわゆる職業記者などの専門職的な「送り手」と受動的なものとして想定されやすい「受け手」の区別を設けず、両者を対等で相互行為的な存在として理解した上で生じる「声なき声」の活性化の実践を「ジャーナリズム」として位置付け、再定義した場合に生じる葛藤や可能性を分析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は民主主義社会において公共的な役割が期待されるメディアについて、その不信をどのように乗り越えることが可能であるのかについて考察した。その学術的意義は新聞などの限定的な研究対象を扱い、規範論に徹する傾向のある「ジャーナリズム研究」を、ポピュラー文化における価値尺度やメディア社会の実態と照らし合わせながら問い直すことにあった。その社会的意義は、ジャーナリズムの現場において生じている信頼性という問題について、何が求められているのかを明らかにした点にある。
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