研究課題/領域番号 |
22K20214
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
中島 武史 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (20964109)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 日本語への意識 / 聴覚支援学校 / 高等部 / ビジネス文書 / 敬語の難しさ / 漢字の読み方 / 日本語への多様な認識 / ビジネス文書、敬語の難しさ / 恥ずかしいという感情 / 高等部生徒 / 手話 / 聴覚障害児 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、聴覚支援学校高等部の生徒を対象とし、彼女ら彼らが持つ日本語に対する意識を調査する。 その目的は、日本の少数言語である手話を使用しながらも日本社会の主流言語である日本語に囲まれた言語生活、学校生活を送る聴覚障害児にとって、日本語とはどのようなものなのか、日本語によるバリアがあるとすればそれはどのような障壁となっているのかを、聴覚障害児自身の考えや経験から明らかにすることである。また、他の言語的マイノリティと日本語の関係についても文献調査を行い、比較と考察を行う。
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研究成果の概要 |
聴覚支援学校高等部の生徒の中には、他の言語的マイノリティと同じように日本語への苦手意識をもつケースがあることを確認した。また、日本語に対する様々な認識や葛藤が確認された。例えば、多数派である聴者との人脈を作るために日本語が必要だと感じている例がある一方、仕事で使用する独特なビジネス文書の扱いに困る例、敬語の使用に難しさを感じる例などが確認された。また、漢字の読み方がわからないと恥ずかしいと感じ、周囲から勉強していないと思われるのではないかという不安を覚えているケースがあることもわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
聞こえない・聞こえにくい生徒たちは、手話だけでなく日本語を使用して生きることは確かである。しかし、日本語の習熟度の面ではマイノリティ言語を使用する外国籍児童と同じように日本語モノリンガルとの比較では苦手意識をもつケースがあると確認された。したがって、2011年に改正された障害者基本法第3条三において、手話が言語と明記されたように、手話によって社会生活を送ることを可能にする教育的・社会的施策の必要性が示唆された。また、日本に住む生活者の日本語習熟度と意識は、本研究の対象者を含め様々でり、社会生活を送るうえで必要な日本語レベルの基準を日本語モノリンガルに据えないことも重要だと考えられた。
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