研究課題/領域番号 |
22K20278
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岡村 美由規 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (50467784)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | セルフスタディ / 主観性の擁護 / 科学性 / 物語論 / 教員の自己研鑽「研究」と「修養」 / アクションリサーチ / 学校における教職員の関係性と研究 / 教員研修 / 理論研究 / 開発的研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は学校の日常が多忙化するなかで、継続的に実践でき、かつ教職員の実質的な職能開発、ひいては学校の組織づくりにつながる研修方法について、原理的に探究するとともにその実践方法を開発することを目的とする。具体的には、①教員が行う自己を対象とした研究方法「セルフスタディ」を、自身の日常経験を物語ること「物語論」の視角から理論研究するとともに、②現職教員が勤務校において心理的安全な集団形成することを促しつつ、同時に校内研修として職能開発を行える方法論を開発する(開発研究)。
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研究実績の概要 |
研究目的を達成するために、研究開始時において、さらに以下の点について具体的に取り組むことが必要と考えていた:①セルフスタディにおける「セルフ」を省察することの必要性の理論化(理論研究)、②「セルフ」を省察することと情動(emotion)、感性(feeling)の関係性の解明(理論研究)、③「セルフ」を省察することの方法論としての物語論の援用可能性の検討(理論研究)、④③を踏まえた試行的実践(開発的研究)。 1年目にあたる2022年度は、理論研究の一環として国内外の文献の調査と収集をした。具体的には③(方法論の検討)を中心に研究を進めた。第一に、「セルフ」を省察することが単なる感想ではなく研究としての科学性の担保について検討をした。これは令和4年(2021年)10月に開催された教育哲学会で、ラウンドテーブル「教育哲学研究における「科学性」の再検討」において、報告をした。報告では、科学としての方法論において当事者の主観性の担保を基礎づけ、その主観性が職業人の判断力を形成していることについて論じた。第二に、emotion や feelingなどについて、哲学および心理学の領域における議論の整理を行った。この研究成果は2年目において、学会発表や論文として公表する予定である。第三に④と関連し、セルフスタディのコミュニティづくりに着手している。所属先である教職大学院で実施するアクションリサーチとの連携について検討するとともに、同じくセルフスタディを研究する研究者との研究上の連携を図ることができた。これらの研究成果も2年目に私的研究会などで発表するとともに、論文化して投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在所属している組織(部局)は3つであるが(教職大学院(専門職養成とリスキリング)、学部(教員計画養成)、大学院(研究者養成))、これら3組織(部局)の、研究科における位置づけの相違に由来する、部局間の関係性および各組織で求められる教育方針並びに実態を理解し、職務(教育および大学行政)に適応することに、想定した以上に時間がかかった。これが理論的研究の遅滞の理由である。 第二に、研究協力者の多くが異動したばかりであり、共同研究の時間調整が困難であったことである。異動に加え、まだCovid-19の感染拡大防止策のなかで学校活動は行われていた時期であったことも、共同研究を行う時間を制約した要因であった。これが開発的研究の遅れの理由である。
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今後の研究の推進方策 |
理論研究については、先行研究調査を進め、学会発表(教育哲学会・10月、中国四国教育学会・11月)を進め、また学術雑誌に論文投稿を行っていく。 開発的研究については、研究協力者と共同研究を進め、8月にハンガリーで開催される欧州教師教育学会にて発表をする(プロポーザル査読通過済)。
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