研究課題/領域番号 |
22K20283
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
澁川 幸加 中央大学, 文学部, 特任助教 (80963024)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 反転授業 / 授業設計 / 教育工学 / インストラクショナルデザイン / 教員支援 / 大学教育 |
研究開始時の研究の概要 |
反転授業に不慣れな教員が事前学習用教材を準備する労力に加え、質を伴う教材や授業を設計することは容易ではない。しかし先行研究では学習者に対する効果検証に主眼があり、教員や授業設計支援に関する研究や、反転授業設計の理論研究は極めて少ない課題がある。本研究では、大学教育を対象として、反転授業実践初心者が反転授業設計・実践で抱える困難とその支援方法を理論的・実証的に明らかにすることを目的とする。反転授業設計独自の難しさと支援方策をまとめることで、反転授業研究の理論的・実践的発展を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、反転授業実践初心者が反転授業設計・実践で抱える困難とその支援方法を理論的・実証的に明らかにすることである。 本研究ではまず、反転授業設計の独自性を整理する理論研究を進めることに取り組んだ。反転授業の先行研究をもとに、反転授業を設計する観点として、反転授業の設計の確認、事前学習の設計と対面授業の設計、連関性と整合性の確認を支援する必要性があるとまとめた。 次に「連関性」の具体を探るために、大学教員の反転授業設計を分析した。その結果、教員が「連関している」と対応付けた事前学習と授業の活動の間には、いくつかの連関性(例えば前提知識の確認、対面授業への方向づけ、ねらいの確認、内容の確認など)があることを明らかにした。 最後に、反転授業実践初心者が抱える設計・実践上の難しさを調査した。その結果、反転授業経験のない教員は「反転」後に授業でどのような活動を取り入れたら良いか悩むこと、目標と整合する活動を設定することに苦慮すること、設計段階ではメディア選択の理想と作成可能性との葛藤に揺れたり、いつ・どの程度の知識を解説するかという解説する知識の量と配列を決めることに試行錯誤をしていたことが伺えた。また、実践中は評価方法および配布する教材と反転授業時の活動の整合性が欠けていたことで、対面授業の時間が不足することに苦慮することがあったものの、学生の理解が深まることや主体的な学びが実現していることの実感や、やりたい授業が実現できている実感を感じていたことが明らかになった。 以上の研究結果から、反転授業実践初心者に対し、事前学習の設計と対面授業の設計、連関性の確認、整合性(特に教材の形式と対面授業の活動、評価方法と反転授業中の活動との整合性)の確認を支援する必要性があるとまとめられた。
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