研究課題/領域番号 |
22K20332
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 (2023) 東京大学 (2022) |
研究代表者 |
伊藤 和広 東北大学, 理学研究科, 助教 (90962267)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 局所志村多様体 / G ディスプレイ / プリズマティックコホモロジー / プリズマティック F ゲージ / 変形理論 / ディスプレイ / プリズム / p可除群 |
研究開始時の研究の概要 |
現代の数論では,モジュラー曲線の一般化である志村多様体と呼ばれる代数多様体が重要な役割を果たしている. 近年,局所ラングランズ対応の研究において,局所志村多様体と呼ばれるモジュライ空間(非アルキメデス的な対象)が注目されている. 本研究では Lau によって導入された G ディスプレイをパーフェクトイド環またはプリズムの文脈で研究し,それらを用いて局所志村多様体の幾何,特にその「整モデル」の局所構造や,旗多様体との関係を調べる.
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研究成果の概要 |
G-ディスプレイと呼ばれる概念を,Bhatt-Scholze が導入したプリズムの理論の文脈で研究した.ここで G は p 進整数環上の簡約群である.G が一般線形群の場合,G-ディスプレイは Breuil-Kisin 加群とみなせる.特に,標数 p の完全体上の G-ディスプレイに対し普遍変形環を構成した.応用として超特殊なレベル構造を持つ局所志村多様体の整モデルの局所構造を決定した.Drinfeld,Bhatt-Lurie が導入したプリズマティック F ゲージとプリズム上の G-ディスプレイの関係を調べ,基礎環が正則(特異点がない状況)であれば,本質的に同じ対象であることを証明した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
局所ラングランズ対応への応用もあり,局所志村多様体と呼ばれるモジュライ空間は重要な対象である.本研究では G-ディスプレイを用いて,局所志村多様体をプリズムの圏上のモジュライ関手として解釈することで局所構造を決定した.局所志村多様体の先行研究は,ほとんどが付加構造付きの p 可除群のモジュライ空間である場合に限定されたものであったが,本研究の手法では任意の局所志村多様体を扱える.局所志村多様体に限らず,数論幾何学における多くのモジュライ空間がプリズムを用いて精密化されることが期待でき,本研究はその第一歩である.
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