研究課題/領域番号 |
22K20345
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
喜多 航佑 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (50962445)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 消散型波動方程式 / 双曲型偏微分方程式 / 中尾の問題 / 臨界指数 / 大域適切性 / 波動方程式 / 解の爆発 / 時空重み付き評価 / 重み付き各点評価 / 減衰評価 / 時間大域適切性 / 重み付き評価 |
研究開始時の研究の概要 |
消散型波動方程式は,同じ時間発展の方程式でありながら互いに異なる性質を持つ放物型方程式(熱方程式)と双曲型方程式(波動方程式)の中間に位置する.消散型波動方程式の時間大域解に関する研究は,消散項によるエネルギー散逸に着目した熱方程式の性質に想起される手法が主として用いられてきた.本研究では,波動方程式の解に対してよく知られている各点の重み付き評価を消散型波動方程式の解に対して新たに導出し,その応用として非線形問題の時間大域解の存在を示す.さらに,未解決である中尾の問題と呼ばれる消散型波動方程式と波動方程式の連立系の時間大域解の存在を証明し,臨界冪を明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究課題では,波動方程式と消散型波動方程式の連立系の初期値問題の大域適切性の証明を目標に主に消散型波動方程式の解の評価について研究を行った.消散型波動方程式は波動方程式と同じ双曲型方程式に分類されるが,消散効果によりその解の性質は放物型方程式の代表である拡散方程式に近いことが知られている.ここでは,消散型波動方程式が持つ波動的性質の本質を探索する為,解の時空重み付き評価を新たに導出し,上述の連立系の初期値問題に対し新たな大域適切性の結果を部分的に得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では,これまで独立に発展してきた放物型方程式と双曲型方程式に対してその違いの本質を見るべく,両者の性質を併せ持つ消散型波動方程式に対しその解の時空重み付き評価に着目して解析を行った.消散型波動方程式の解析はエネルギー散逸の構造に着目した放物型的なアプローチが主流だったが,本研究ではある種双曲型的なアプローチを採用し解の性質を特徴付けることに成功した.このような見方は独自のものであり,現象の時間発展を記述する様々な数理モデルの解析に応用できることが期待される.
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