研究課題/領域番号 |
22K20489
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0401:材料工学、化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
木村 大海 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (10964190)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 透明セラミックス / イメージングプレート / 光刺激蛍光 / アルカリハライド / 放射線計測 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線計測に用いられる蓄積型蛍光材料は放射線のエネルギーを吸収し、記憶する機能を有する。記憶したエネルギーは外部刺激を与えることにより発光として読み出すことができる。この材料を用いた二次元撮像型の放射線検出器をイメージングプレート (IPs) と呼び、X線撮影や非破壊検査などで活用されているが、フェーディング特性が不足しているため応用範囲が限られている。本研究では IPs を高性能化することにより新たな応用先を開拓すべく、アルカリハライド透明セラミックスの系統的な開発を行うことで、最終的に検出感度が0.01 mGy以上かつフェーディングが0.1%/hr 以下のIPs用蓄積型蛍光材料の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は二次元X線検出器の一種であるイメージングプレート(IPs)を高性能化することにより新たな応用先を開拓すべく、フェーディングが0.1%/hr 以下かつ検出感度が市販材と同程度の0.01 mGy以上のIPs用蓄積型蛍光材料の開発することである。この目標を達成するため、材料形態として大面積化かつ高感度化が可能な透明セラミックスに着目した。本年度は放電プラズマ焼結装置を用いて、昇温および降温速度、焼結時間、加圧力、雰囲気等を最適化することにより、LiBr、NaBr、KBr、RbBr、CsBr等の透明セラミックスの開発に成功した。さらに、得られた透明セラミックスに対して系統的に光学および蓄積型蛍光特性を評価した。そのなかでも1%のEuを添加したKBr透明セラミックスは、検出下限が0.1 mGyであり、市販品と同程度のフェーディング特性を示した。また次年度の複合アニオン化を見据えて、予備実験としていくつかのアルカリクロライド透明セラミックスの合成条件の最適化を行った。次年度では本年度にて得られた焼結条件を基に、複合アニオン透光性セラミックスを開発し、フェーディング特性等に対してアニオン比を最適化することで、研究目的の達成を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度はアルカリブロマイド透明セラミックスの合成条件を確立し、光学および蓄積型蛍光特性を系統的に評価することにより、材料のポテンシャルを見極めることを目標としていた。放電プラズマ焼結装置を用いることでアルカリブロマイド等の透明セラミックスの合成に成功した。またEuを添加した際の光学および蓄積型蛍光特性を系統的に評価した。以上の結果から当初の予定をおおむね達成した状況である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、アルカリブロマイド透明セラミックスにおけるX線照射後のフェーディング特性の改善を試みる。具体的には、異なる発光中心を添加することや塩・臭・ヨウ素を添加することによる複合アニオン化に伴うバンドギャップエンジニアリングや異種元素の微量添加により、捕獲準位の深さや量を制御する。発光中心や異種元素の濃度やアニオン比等を最適化することで、当初の目標である高感度かつフェーディングが少ないIPsの開発を目指す。
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