研究課題/領域番号 |
22K20534
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
柏原 美勇斗 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任助教 (10963340)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 六フッ化硫黄 / 温室効果ガス / 9-フルオレノール / 一電子移動 / 有機触媒 / 一電子還元 / ペンタフルオロスルファニル化 |
研究開始時の研究の概要 |
ペンタフルオロスルファニル基は,その特異な特性から,医薬品や電子材料への導入による機能改良に興味が持たれているが,合成が難しいため活用例は限られている。一方,六フッ化硫黄は極めて高い温室効果を示すことから分解技術の発達が望まれているガスである。そこで本研究では,六フッ化硫黄を原料とし,9-フルオレノール誘導体を還元剤とする独自の手法によって,新しいペンタフルオロスルファニル化剤の開発を目指す。本研究課題は環境負荷の大きい六フッ化硫黄から付加価値の高いペンタフルオロスルファニル基含有化合物を導くものであり,有機合成化学ならびにグリーンケミストリーの発展に大きく資することが期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では,現在知られている中で最も地球温暖化係数の大きい温室効果ガスである六フッ化硫黄を原料に用いて,有用な反応剤を合成することを目指した。独自に開発した還元剤を用いて検討を行ったところ,想定した反応剤は得られなかったものの,六フッ化硫黄が効率的に分解することが分かった。これまでに開発された六フッ化硫黄の分解手法と比較して,より安価で安全な化合物を触媒として用いており,また分解に必要な温度も低いため,より実用的な分解技術への展開が期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
六フッ化硫黄は高い地球温暖化係数を有している一方で,高い絶縁性と安定性,また毒性の低さから,現在でも様々な利用がなされているガスであり,その効率的分解手法が求められてきた。本研究成果は,高難度分子変換と言える六フッ化硫黄の分解に新たな選択肢を与えるものであるとともに,用いた独自の還元剤であるフルオレノールと呼ばれる化合物の応用可能性を拡充するものである。
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