研究課題
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膵臓がんは極めて予後不良のがんであり、特にがん間質線維芽細胞が膵臓がんの治療困難性や転移を増大させる。我々はこの問題を解決するべく、膵臓がんが放出するS100A11が間質線維芽細胞のRAGEに作用し膵臓がんの成長と転移を著しく加速することを見出し、独自に開発したデコイ製剤:exRAGE-Fcが膵臓がん間質の増大を抑制したという成果を得た。S100A11とそれら受容体群の遮断が、膵臓がんにおける間質増大と浸潤抑制に効果的であると考え、本研究ではS100A11中和抗体を開発することを目的とした。本研究成果は、現状有効な治療薬が存在せず治療の困難な膵臓がんの新規治療法の確立につながると期待される。
膵臓がんは極めて予後不良であり、特にがん間質線維芽細胞が膵臓がんの治療困難性を高めることが問題となっている。我々は、膵臓がんが放出するS100A11が間質線維芽細胞に作用し、膵臓がんの成長と転移を加速するという成果を得た。S100A11と受容体群の遮断が、膵臓がんにおける間質増大と浸潤抑制に効果的であると考え、S100A11中和抗体を開発することとした。本研究では、S100A11中和抗体による膵臓がん細胞の遊走能・浸潤能の減弱、線維芽細胞の活性化および増殖の抑制を観察した。
間質細胞領域の占める割合の多い膵臓がんは、特に難治性である事が指摘されており、間質細胞を標的とした次世代型治療法の確立が望まれている。本研究成果から創出する新たな製剤S100A11中和抗体は将来的に治療困難とされる膵臓がんの革新的医薬品の創出にもつながる大きな展望がある。S100A11の関わる疾患は、がん細胞の増殖・転移のみならず、炎症の関わる種々臓器線維症、神経変性疾患、2型糖尿病性、自己免疫疾患など、広範にわたる。本研究により創出する製剤は、これら広範な疾患における病態発症と憎悪に対する共通の対策を提供することになり、その意義は極めて大きいものと考えている。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 9件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (22件)
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