研究課題/領域番号 |
22K20821
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石川 晃大 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (30966049)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | iPS細胞 / iPS細胞由来T細胞 / 遺伝子改変T細胞療法 / 固形腫瘍 / 腫瘍免疫 / 再生T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現したCD8αβ両陽性iPS細胞由来T(iPS-T)細胞に機能向上因子を遺伝子導入することで長期生存能・細胞傷害活性能・腫瘍への遊走能のすべてが向上することを見出した(論文投稿中)。ただし、当該遺伝子導入iPS-T細胞の機能向上の本質的な原因は不明なままである。本研究は当該遺伝子導入iPS-T細胞の機能向上に本質的に関与した因子の抽出と分子メカニズムの解明を目指す。本研究の達成によって、iPS-T細胞の機能向上に重要なメカニズムを明らかにし、上述したすべての機能を特異的かつ効率的に発揮したiPS-T細胞の作製を通じたがん免疫細胞療法の進展を目指す。
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研究成果の概要 |
固形腫瘍内に浸潤したiPS細胞由来T(iPS-T)細胞を回収し、機能的と思われた細胞集団から有用遺伝子の抽出を試みた。その結果、固形腫瘍に対する抗腫瘍効果を向上させうる遺伝子の候補を複数見出すことに成功した。続いて当該遺伝子をiPS-T細胞に発現させたところ、従来のiPS-T細胞と比較してその機能性を有意に向上させる遺伝子のさらなる選別に成功した。実際に固形腫瘍マウスモデルを用いた解析で、選別遺伝子発現iPS-T細胞を投与したマウス群では固形腫瘍の増大を有意に抑制したことから、選別遺伝子がiPS-T細胞の機能性に非常に重要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で選別に成功した遺伝子はこれまでT細胞の機能向上に貢献するよりはT細胞・幹細胞分化に関係していることが多く報告されていた。実際に選別遺伝子を発現したiPS-T細胞はT細胞の抗腫瘍効果が高い集団を保持した細胞であった。選別遺伝子がiPS細胞からのT細胞分化に重大な影響を与える可能性を鑑みて、今後、選別遺伝子をiPS細胞に導入してT細胞分化を行う予定である。本研究によってこれまでにない機能的iPS-T細胞の作製や、T細胞分化における新しい知見を見出すといった基礎科学的視点での研究の発展が期待される。
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