研究課題/領域番号 |
22K20851
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
藤井 悟 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, プロジェクト助教 (00964751)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / 潰瘍性大腸炎 / クローン病 |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患は消化管に慢性炎症を起こす難病で、寛解と再燃を繰り返すことが特徴である。研究代表者らは、新規2次元培養モデルを開発し、マウス大腸上皮の「傷害→再生→治癒」過程をin vitroで再現することに成功し、再生過程で重要な役割を担う遺伝子発現変化を報告した。本研究では、この技術を患者由来ヒト細胞に応用し、炎症性腸疾患患者の上皮で繰り返されるの「傷害→再生→治癒」過程の全貌の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
マウス大腸上皮細胞で確立したair-liquid interface (ALI) 培養法を応用し、患者由来ヒト大腸上皮細胞を用いたALI培養法を確立した。培地条件を検討することで、恒常状態のヒト大腸上皮細胞に類似した円柱上皮を再現可能な培養条件を見出した。ALI培養開始時の細胞は扁平状であり、潰瘍性大腸炎の炎症部でしばしば見られる扁平化上皮細胞を再現していると考えられた。扁平状の培養細胞の遺伝子発現パターンは、潰瘍性大腸炎の炎症大腸上皮や胎児期の腸粘膜の遺伝子発現パターンと類似していることを確認した。この培養系をさらに応用することで、炎症性腸疾患の病態解明や新規治療法開発への貢献が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腸上皮細胞の3次元培養法が初めて報告されて以降、3次元培養法は腸上皮細胞の生理機能や腸疾患の病態の解明、および新規治療薬の開発等に大きな貢献をしてきた。しかし、従来の3次元培養法では炎症性腸疾患で繰り返される「傷害→再生→治癒」過程を再現することは困難であった。それに対し、我々が開発した2次元培養モデルは、ヒト腸粘膜の「傷害→再生→治癒」過程を再現し、その過程を経時的に解析することも可能である。よって、この培養モデルをさらに応用することで、ヒト腸上皮の再生メカニズムの解明が期待されるだけでなく、炎症性腸疾患の病態解明、新規診断法や治療法の開発等にも貢献できると期待される。
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