研究課題/領域番号 |
22K20864
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
バータルジャフ・チントグトフ 自治医科大学, 医学部, ポスト・ドクター (70962744)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | DNAセンサー / 炎症反応 / 心血管病 |
研究開始時の研究の概要 |
NLRP3インフラマソームは、動脈硬化を基盤とする心血管病での無菌性炎症の惹起に重要な役割を果たしている。申請者は、dsDNAにより形成されるAIM2インフラマソームも無菌性炎症に関与することを報告するとともに、動脈硬化病変のデータベース解析により病態ステージによってNLRP3とAIM2の役割が異なるとの仮説に至った。本研究では、動脈硬化や心血管病におけるAIM2の役割や病変ステージでのNLRP3との相違を解析し、これら疾患における無菌性炎症の病態解明を目指して研究を行う。
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研究実績の概要 |
動脈硬化を基盤とする心血管病での無菌性炎症が、炎症と細胞死を制御するNLRP3インフラマソームを介して惹起されることが示されている。一方で最近、2本鎖(dsDNA)を認識して形成されるAIM2インフラマソームも無菌性炎症を惹起することが報告されているが、その心血管病態での役割や、NLRP3とAIM2の使い分けについては、未だ不明である。申請者はこれまで、AIM2欠損マウスを用いて急性腎障害でのAIM2インフラマソームの役割を解析し、AIM2インフラマソームが組織の修復や線維化、リモデリングの過程に重要な役割を果たしていることを報告した。本研究では、動脈硬化を含む心血管病でのAIM2インフラマソームの役割およびNLRP3インフラマソームとの役割の相違を解明することを目的に研究を行っている。動脈硬化での検討のため、動脈硬化モデルであるApoE欠損マウスとAIM2欠損マウスを交配させてAIM2/ApoEダブル欠損マウスを作成した。また、AIM2欠損マウスにCandida albicans培養上清(CAWS)投与によるマウス川崎病様血管炎モデルを作成して解析を行った。CAWSを投与したマウスでは、血中の2本鎖DNA量が増加しており、AIM2欠損マウスでは血管炎の発生率や線維化、マクロファージの浸潤が有意に抑制された。また、報告されているRNA-seqのデータベースを用いて解析を行い、ApoE欠損マウスの進行した動脈硬化病変においてAIM2発現がより増加していること、ヒト動脈硬化病変においても進行して不安定な動脈硬化プラークにおいてAIM2発現が増加していることが示された。これらのことから、動脈硬化を含む心血管病においてAIM2インフラマソームが重要な役割を果たしていることが明らかになり、AIM2が新たな治療標的となり得ることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ApoE/AIM2ダブル欠損マウスの繁殖にやや時間がかかっているが、CAWS血管炎モデルでの表現型や分子機序の解析は順調に進んでおり、新たな知見も得られていることから、概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
動脈硬化の病変ステージにおけるAIM2の役割やNLRP3の役割との相違を解析するため、高コレステロール負荷したApoE欠損マウスの早期および進行病変について解析を行う。また、NLRP3/AIM2二重欠損マウスと薬剤誘導型AIM2欠損(AIM2f/f;R26CreER)マウスを作成して、さらなる解析を行う。さらに、マクロファージや心血管細胞を用いた細胞実験により、分子機序の解明を行う。一方、他の心血管病モデルをAIM2欠損マウスに作成することで、様々な心血管病でのAIM2インフラマソームの役割の解明を目指して研究を進めていく。
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