研究課題/領域番号 |
22K21069
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
天田 かおり 昭和大学, 歯学部, 助教 (90966186)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 骨細胞 / 骨代謝 / 細胞外酸性化 / 骨のリモデリング |
研究開始時の研究の概要 |
骨は破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成を繰り返す骨リモデリングにより形と強度を維持している。一方、骨組織内部には骨細胞が多数存在している。近年、骨細胞が破骨細胞と骨芽細胞の分化と機能を制御することが明らかになってきた。 生体内では様々な要因で酸性状態が生じる。例えば、癌細胞による乳酸産生や炎症などによる病的酸性化や破骨細胞のプロトン放出による生理的酸性化などである。我々は、細胞外pHが骨細胞による破骨細胞と骨芽細胞の分化と機能を制御する現象を見出した。本研究は、細胞外pHによる骨細胞を介した骨代謝制御メカニズムを解明することを目的とし病的骨破壊に対する新しい治療法の開発の構築を考える。
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研究成果の概要 |
本研究は、骨細胞による骨代謝制御に細胞外酸性化が与える影響を分子レベルで明らかにすることで、細胞外酸性化が骨代謝にどのような影響を与えるかを解明することを目的としている。我々は、骨細胞によるスクレロスチンとOPGの発現・分泌が細胞外酸性化で促進されることを発見した。骨細胞の細胞外酸性化受容機構の解明に関して、細胞外酸性化の受容体としてGPR68/OGR1の可能性が高いと考えられるため、GPR68/OGR1を遮断することで骨代謝制御を行うことができるのではないかと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨細胞を酸性下に培養することで骨形成を抑制するスクレロスチンの発現が増加することが発見された。骨細胞の細胞外酸性化の受容体として、GPR68/OGR1の可能性が高いことが示唆されている。酸性環境下での骨代謝回転の制御を理解することは、がんの骨転移をはじめとする病的酸性化を生じる骨疾患に対する治療に有用な情報をもたらすことが期待され、臨床的意義は非常に大きい。
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