研究課題/領域番号 |
22KJ0615
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補助金の研究課題番号 |
21J21102 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高田 真悟 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2023年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | スピントロニクス / スピン流-電流変換 / ペロブスカイト酸化物 / 分子線エピタキシー / ワイルフェルミオン / ペロブスカイト型酸化物 / 二次元電子ガス |
研究開始時の研究の概要 |
近年の情報技術発展に伴い、メモリの消費電力が増大しており、この問題を解決するために、超低消費電力メモリ(SOT-MRAM)が提案されている。このメモリの書き込み動作はスピン流-電流相互変換を用い、スピン流-電流相互変換効率が高いほど低消費電力動作が可能である。本研究では、ペロブスカイト酸化物の界面を用いた高効率スピン流-電流変換と磁化反転の研究を行っている。ペロブスカイト酸化物SrTiO3界面の二次元電子ガスを用いたスピントロニクスデバイスの創出を目指し、研究を行っている。
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研究実績の概要 |
本研究では、ペロブスカイト酸化物界面の二次元電子ガスを用いたスピン流-電流相互変換の物理現象開拓と超低消費電力動作可能なメモリの実現を目指す。 本年度は、高効率なスピン流-電流変換を実現するための材料設計指針を確立した。 さらに、メモリ動作に向けて、強磁性ペロブスカイト酸化物であるSrRuO3に着目し、分子線エピタキシー法を用いてSrTiO3基板上に作製を行った。電気伝導評価から、最高品質クラスのSrRuO3薄膜の作製に成功した。我々は高磁場を印加することで、電気伝導の量子振動や正の線形磁気抵抗効果が観測し、ワイルフェルミオンによる伝導と結論付けた。磁場の印加角度を変え、量子振動が印加角度に応じてシフトしていく結果が得られた。これは二次元伝導の特徴的な結果であり、SrRuO3のワイルフェルミオンにおけるフェルミアーク由来と考えられる。さらに、膜厚依存性を調べることで、量子振動の位相が変化する現象を観測し、フェルミアークの理論と一致することが確認できた。 また、意図的にRuを欠損させたSrRuO3薄膜を作製し、膜厚依存性を調べることで、スキルミオンによるトポロジカルホール効果の探索を行った。磁気伝導現象を測定することで、Ruが欠損した極薄膜でのみしかトポロジカルホール効果が表れないことが分かった。世界最高品質のSrRuO3の膜厚依存性と比較することで、Ruが欠損したSrRuO3極薄膜で現れるトポロジカルホール効果は、スキルミオン由来ではなく複数のドメインによる異常ホール効果の重ね合わせで説明できることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
高品質(La,Sr)MnO3/LaTiO3/SrTiO3ヘテロ構造において、世界最高効率のスピン流-電流変換を実証し、査読付き国際論文誌nature communicationsに出版され、プレスリリースを行った。本成果は国際学会や国内学会でも高く評価されている。 加えて、強磁性ペロブスカイト酸化物SrRuO3におけるワイルフェルミオンのフェルミアークによる二次元伝導が観測できた。この成果は査読付き国際論文誌npj Quantum Materialsに出版された。
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今後の研究の推進方策 |
SrTiO3界面の二次元電子ガスを用いた高効率電流-スピン流変換を用いた磁化反転を目指す。初めに、分子線エピタキシー法を用いてペロブスカイト酸化物LaAlO3/SrTiO3やLaTiO3/SrTiO3の成長に取り組み、結晶の高品質化を行う。これら材料の界面に生じる二次元電子ガスの電気伝導評価を行う。続いて、面直磁化を有するSrRuO3の成長条件最適化を行う。そして、上記の材料を組み合わせて、高効率磁化反転を目指す。 また、強磁性ペロブスカイト酸化物SrRuO3について、スキルミオンやワイルフェルミオンの新規現象開拓やエレクトロニクス応用の開拓を目指す。現在はワイルフェルミオンのスピン流との交差物理現象開拓を進めている。
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