本研究は戦後日本の中央省庁における公文書管理史を叙述・分析する試みである。公文書管理法の制定を機に政府の官僚機構は従来の文書行政の見直しに迫られている。公文書館法、国立公文書館法、行政機関情報公開法など、一連のOpen Government Law整備に伴って公文書管理のあり方に関する議論が受け継がれ、文書管理行政のあり方に改革提案と官僚機構による応答が重ねられた。これらを「公文書管理改革の政治過程」と捉え、改革運動の動向と政府・行政の対応の両者を視野に置きながら、政府の官僚機構における文書行政の経緯・現状・展望を(1)行政史的接近、(2)政府情報の実態分析、(3)官民対比の視座から検討した。
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