研究概要 |
ジェオスミンと2-メチルイソボルネオールの活性炭吸着容量の活性炭粒径依存性を2種類の活性炭を用いて検討した.重水素で標識したジェオスミンと2-メチルイソボルネオールを吸着した活性炭粒子を同位体顕微鏡で観察し,重水素/水素比を指標にしてジェオスミンと2-メチルイソボルネオールの吸着分布を求めた.その結果,活性炭粒径が小さくなると吸着容量が増加する活性炭では,ジェオスミンと2-メチルイソボルネオールが主に活性炭粒子の外表面付近に吸着していることを明らかにした.この結果は,超微粉炭の高い吸着容量は,ShellAdsorptionMechanism,すなわち,吸着質が活性炭粒子内部へ拡散せず外表面付近に吸着する機序によることを示している.さらに,ジェオスミンと2-メチルイソボルネオールが活性炭粒子内部に吸着する場合は,通常の粉末活性炭に比べて超微粉炭が競合吸着物質である自然由来有機物質を多く吸着しても,ジェオスミンと2-メチルイソボルネオールの吸着性が低下しないことを明らかにした.
|