研究概要 |
本研究ではミツバチ失踪(蜂群崩壊症候群)の原因の一つと考えられるウイルスIAPVに着目し,ウイルスを構成する殻タンパク質とRNA合成酵素の組換えタンパク質を合成して,機能解析と立体構造解析を目的とした.殻タンパク質を構成する4種類のサブユニットのうち,複数種のタンパク質の組み合わせの共発現により,水溶性タンパク質として得ることができた.これらのタンパク質を用いて,殻タンパク質と相互作用するミツバチ由来因子の探索を行った結果,ミツバチの脳に含まれる55kDaと100kDaのタンパク質,および消化管に含まれる100kDaのタンパク質が検出され,IAPVの殻タンパク質と結合する候補因子であると予想された.RNA合成酵素は6分割した部分組換えタンパク質の発現を行った.その結果,2つの部分組換えタンパク質を溶出させることに成功した.今後はこの部分組換えタンパク質と相互作用するミツバチ由来因子を探索する.
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