研究課題
若手研究(B)
豚は鳥由来のA型インフルエンザウイルスに感受性があるが、野鳥から豚への感染は一過性で終わる場合と野鳥ウイルスが豚で長期間循環する場合とがある。こうした鳥ウイルスの豚での増殖性の違いが、何に起因するのかは明らかでない。本研究では、豚と鳥の宿主体温の違いに着目し、野鳥ウイルスを豚細胞で低温順化させた場合に起こる変化を調べた。遺伝子解析の結果、低温順化ウイルスのポリメラーゼ複合体を構成する遺伝子やHA遺伝子に非同義置換が起きていることを見出した。本成果により、鳥ウイルスの豚での増殖能獲得にポリメラーゼ活性やHA蛋白の関与が推定された。