研究課題
研究活動スタート支援
人工多能性幹(iPS)細胞から、in vitro で造血幹細胞を分化誘導することは未だ出来ていない。申請者らは、初期分化サル胚性幹(ES)細胞をヒツジ胎子肝臓内に移植することで、骨髄内に約1%の割合でサル造血をもつヒツジを作出した。つまり、ヒツジ胎子体内環境下(in vivo)でES細胞から造血幹細胞を誘導できたのである。しかしながら、ヒツジ末梢血中にサル血液細胞はほとんど出現しなかった(0.01%以下)。これに対し申請者は、末梢血中へのES/iPS細胞由来細胞の安定した出現を目指し、骨髄中の生着率を10%まで向上させることを試みている。骨髄移植の前処置剤として用いられるブスルファンに着目し、ヒツジ胎子造血を一時的かつ安全に抑制する技術を開発した。この技術を元にして、ヒツジ胎子へのヒト造血幹細胞を移植する6 日前に母体経由で投与することで、安全かつ効果的に産子の骨髄キメラ率を向上しうることを示した。以上の成果から、ヒツジ体内でヒトiPS細胞から効率的に造血幹細胞を作り出す技術を開発する足がかりが出来た。また、ヒツジのような大型動物の胎子を用いた試験は前臨床的な位置づけを担っており、今回の成果がヒトiPS細胞の実用化に大きく貢献できると言える。
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