| 研究課題/領域番号 |
23H05429
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| 研究種目 |
基盤研究(S)
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| 配分区分 | 補助金 |
| 審査区分 |
大区分B
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| 研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
加藤 雄人 東北大学, 理学研究科, 教授 (60378982)
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| 研究分担者 |
大村 善治 京都大学, 生存圏研究所, 特任教授 (50177002)
笠原 慧 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (00550500)
寺本 万里子 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (10614331)
篠原 育 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (20301723)
三谷 烈史 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (70455468)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-12 – 2028-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2025年度)
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| 配分額 *注記 |
206,700千円 (直接経費: 159,000千円、間接経費: 47,700千円)
2025年度: 29,510千円 (直接経費: 22,700千円、間接経費: 6,810千円)
2024年度: 39,520千円 (直接経費: 30,400千円、間接経費: 9,120千円)
2023年度: 79,690千円 (直接経費: 61,300千円、間接経費: 18,390千円)
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| キーワード | 宇宙プラズマ・プラズマ波動 / 地球惑星磁気圏 / 太陽地球システム・宇宙天気 / オーロラ・磁気嵐 |
| 研究開始時の研究の概要 |
代表者らが世界に先駆けて明らかとした電磁波による高効率な放射線帯消失機構を主軸に研究を行う。最先端の超小型電子スペクトル・プラズマ密度計測器を超小型衛星に搭載し、既存の観測に加えることで、ダクト構造が放射線帯を高効率に消失させる経路になるという仮説を実証する。木星放射線帯における直接観測結果に適用することで理論モデルの普遍化に取り組むとともに、未踏の粒子加速過程解明に挑む。放射線帯コントロール技術の学理を構築することにより、能動実験の理論的基盤を獲得することで、人類の宇宙利用・有人宇宙探査の促進に貢献する。
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| 研究実績の概要 |
本研究は電磁波による高効率な放射線帯消失機構の実証と、放射線帯コントロール技術の学理を構築することを目的とする。「放射線帯物理モデルの開発」、「超小型衛星搭載機器開発」、「地球・木星探査機データ解析」の3つの課題についてそれぞれチームを組織、連携して研究を進めた。 「放射線帯物理モデルの開発」では、数値グリーン関数法による物理モデル構築を進めた。計算機シミュレーションと衛星観測のデータ解析に基づいて、周波数が上昇するライジングトーン・コーラス放射の発生領域が赤道面よりも上流側に移動することを明らかとした。斜め伝搬のコーラス放射について、波に捕捉された共鳴粒子が捕捉されない共鳴粒子に比べてサイクロトロン共鳴およびランダウ共鳴の両方の非線形捕捉過程によって非常に効率よく加速されることを示した。 「超小型衛星搭載機器開発」では、搭載機器の設計と製造を開始した。電子密度計測器について、超小型衛星に搭載するために必要な小型化について検討を行い、電子回路部の基本設計を完了した。高エネルギー電子検出器について、厚み1 mmの半導体検出器を試作し良好なエネルギー分解能を確認した。 「地球・木星探査機データ解析」では、地球磁気圏における観測結果からダクト構造を捉えた例を探索し、イベント解析ならびに統計的な解析を実施した。2次共鳴による電子加速・消失過程をとらえるための新たなデータ解析手法を考案して、あらせ衛星による観測結果に適用し、コーラス放射が1秒以下の時間スケールで電子加速を引き起こすことを初めて観測的に明らかとした。従来考えられてきたプラズマ密度の空間変動に加えて磁場強度の空間変動によりダクト構造が形成されること、地磁気脈動と呼ばれる磁気流体波がダクト構造を作り得ることを初めて明らかとした。 各チームの研究にはいずれも複数の大学院生が参画しており、3件の学生発表賞を受賞するなど高い評価を得た。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
1: 当初の計画以上に進展している
理由
「放射線帯物理モデルの開発」では数値グリーン関数法を用いた物理モデルの構築と、探査機観測結果に基づくダクト構造の時間・空間スケールの考察およびプラズマ波動伝搬過程への影響の究明を進め、順調に成果が上がっている。従来考えられてきたプラズマ密度の空間変動に加えて磁場強度の空間変動によりダクト構造が形成されることの発見と、2次共鳴により1秒以下の速い時間スケールで生じる電子加速・消失過程をとらえるための新たな衛星データ解析手法の開発は、当初予想しなかった成果となった。 「超小型衛星搭載機器開発」では超小型衛星搭載用電子計測器とプラズマ密度計測器の基礎設計が完了して搭載器の開発が開始されている。開発した計測器は、金沢大学が開発する超小型衛星計画IMPACTへの搭載機会を確保することができた。2026年度末の完成に向けて開発が開始されたIMAPACTには、本研究で開発する搭載機器に加えて、ダクト構造により伝搬してきた電磁波を計測するサーチコイル型磁力計が金沢大学により開発され搭載される予定である。これにより、ダクト構造により集められた電磁波と放射線帯電子消失過程の双方を、同一の超小型衛星で観測することが可能となり、本研究申請時の想定を超える研究の進展を得ることが期待できる。 「地球・木星探査機データ解析」については、地球磁気圏を探査する「あらせ」衛星と木星探査機「Juno」のデータ解析研究が計画通りに進められている。さらに、400 km高度を飛翔する国際宇宙ステーションや米国UCLAによる超小型衛星「ELFIN」のデータを用いた解析研究の成果がすでに上がっており、本研究で開発する超小型衛星搭載機器による観測結果の解析にも活かされる重要な知見が蓄積されつつある。 以上の一連の研究成果と研究経過に基づいて、想定を超える研究の進展があり、期待以上の成果が見込まれると判断する。
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| 今後の研究の推進方策 |
当初の計画通りに「放射線帯物理モデルの開発」、「超小型衛星搭載機器開発」、「地球・木星探査機データ解析」の3つの研究課題を推進する。 「放射線帯物理モデルの開発」では、1~2分程度の時間スケールで起こるEMIC波による相対論的電子フラックス変動について、数値グリーン関数法による厳密な計算を様々な波動モデルについて行い、それらのEMIC波の統合的な効果を積分して、より長い時間スケールの変動への寄与について簡易的に定量評価を行う方法について検討する必要がある。よって、様々なEMIC波モデルに対する数値グリーン関数のデータベースの構築に加えて、長時間スケールの準線形拡散モデルに非線形EMIC波の短時間変動の効果を組み込む方法について検討を進める。「超小型衛星搭載機器開発」では、高エネルギー電子計測器に用いる検出器の評価とASICの試験基盤等の設計を進める。電子密度計測器については、電子回路部のバス部インターフェース改修とセンサー部製造を進める。「地球・木星探査機データ解析」では、引き続き観測結果の解析を中心に研究を進める。特に地球放射線帯消失過程の観測研究では低高度衛星による観測結果の解析研究にも注力し、本研究で開発する超小型衛星搭載機器により得られる観測結果の解析に活用できる知見を蓄積する。 以上の研究により、放射線帯が急速に消失する現象の基礎的な物理機構を明らかとし、さらにその結果に基づいた考察により、放射線帯を制御するための指針を与える。
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| 評価結果 |
中間評価
A+: 想定を超える研究の進展があり、期待以上の成果が見込まれる
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