研究課題/領域番号 |
23K08084
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
藤本 浩司 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (60456027)
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研究分担者 |
長嶋 健 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (60292710)
高田 護 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (90800392)
榊原 淳太 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (20896427)
大塚 将之 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90334185)
中口 俊哉 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (20361412)
黒田 嘉宏 筑波大学, システム情報系, 教授 (30402837)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 乳癌 / 手術支援 / 拡張現実 |
研究開始時の研究の概要 |
乳房造影MRIは病変特定困難な症例の検出力に優れ、拡がり診断にも有用であるが、検査体位が伏臥位であるため、そのままでは手術時に結果を反映しにくいという欠点があった。そのため、仰臥位MRI撮影の追加や取得画像を専用機器によりマーキングをすることで、正確な切除が可能になるとの報告がある。しかし、これらの手法は仰臥位MRIの再撮影や専用機器を必要とするため、導入には障壁がある。そこで我々は本課題において、物理シミュレーションの技術により、伏臥位MRIから疑似的な仰臥位MRIを生成し、拡張現実感技術によりタブレット端末上で患者上へ重畳する簡便性・汎用性の高い手術支援システムを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は「伏臥位MRI画像から画像変形により疑似的仰臥位MRIを作成し、得られた画像を拡張現実手法によりタブレット端末上で患者体表上に再現すること」である。本研究は下記の3つのパートから成り立っている。第1パートはシミュレーションによる疑似的仰臥位乳房MRI画像の作成であり、第2パートは拡張現実を利用した、タブレット端末上で腫瘍切除範囲を可視化する手術ナビゲーションシステムの開発である。そして、第3パートが臨床的評価である。 第1パートでは脂肪組織の流動性と支持構造による拘束をモデル化し,有限要素法を用いて乳房の半流動的変形のシミュレーションを行っている。伏臥位MRI画像からの疑似的仰臥位MRI生成が最終目標であるが、現在はその準備段階にある。モダリティによる評価差の少ない限局性の腫瘤を持つ患者において、伏臥位MRI施行患者で撮影された画像をシミュレーションしている。そこから得られた変形画像を用いて、どの程度腫瘤の位置や形状が変化するのかを仰臥位CT画像の腫瘤と比較検討し、モデルの有効性を検証している。第2パートでは、より直感的な操作を可能にするためのインターフェース開発や位置合わせ手法のための改良を重ねている。現時点では位置合わせのために、ARマーカーを使用しているが、マーカーレスを目標にさらなる改良も進めている。第3パートは、システム自体が精度向上のため、現時点では改良を重ねているため、まだ臨床評価段階にはないが、システム開発と並行してプロトタイプを用いた問題点の洗い出しや操作性の向上を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今まで、構想段階であった第一パートの画像変形シミュレーションの試作モデルが開発された。第2パートのナビゲーションシステムの改良も進み、研究課題はおおむね順調に進展している、と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
第1パートのシミュレーションモデルの評価が進むにつれて、その問題点も浮かび上がってきている。新たなパラメータを導入することによりその精度向上を目指す。第2パートのナビゲーションシステムに関しては、より対象患者の多い仰臥位CTによる評価も視野に入れつつ開発を進め、第3パートの臨床評価の早期実現を目指す。
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